肥料の機能の調査を行ってくれと連絡を受けるもので、肥料袋の裏を見ると、頁岩(けつがん)という文字をよく見かける。
鉱物系の肥料でよく見かける。
この頁岩というのは何なのか?
今回はそれを見ておこう。
自分で採取した岩を写真として載せたいんだけど、頁岩の目利きに関して自信がないので、掲載する写真は間違えているかもしれないということを前提において、
頁岩というのは堆積岩の一種で、山から海へと砂や粘土が流れ、それらが海底に堆積して長い年月をかけて水圧によって脱水・固結したもののうち、粘土含有量が非常に多く、層状(本のページのよう)に割れやすくなった岩石を指す。
海底が隆起して山になって、川の上流あたりにもたくさんある。
上の写真の中央あたりが頁のように割れているように見えるだろ?
頁岩というのが粘土の固まりであることはわかった。
ここであらためて粘土について見ておくと、粘土とは0.002mm以下でブラウン運動が始まり、コロイドとしての性質が強くなると定義されている。
粘土は各々の粒子が肉眼では観測できないぐらい小さいもので、これらが凝固して岩になると、真っ黒い塊に見えるようになる。
ちなみに轢(大きめの石)を多く含んだ堆積岩を礫岩
砂を多く含んだ堆積岩を砂岩
シルト(小さめの砂)や粘土を多く含んだ堆積岩を泥岩と呼び、
泥岩を更に圧縮されて頁(ページ)のように割れやすくなったものを頁岩と呼ぶらしい。
海に堆積するものは砂や粘土といった鉱物だけではなく、流されてきた微細な有機物も当然含むわけで、頁岩には有機物に富むものが多いというのも特徴の一つだ。
頁岩は微細な粒子が圧力によって固まったため、空気を含まず、中にある有機物の分解は不活性になりとどまる。
粘土と有機物。
粘土の質がよければ、まさに団粒構造(モデル)の元のようなもの。
今まで挙がってきたベントナイトやゼオライトあたりが頁岩層から採掘される。
どちらも水をよく含むので、粘土 + 水をよく含む特性から使いどころはある程度絞れることだろう。
そして、これらの岩が母岩の場合、下流の土壌ではミネラルが比較的に少ないだろうということも予想できる。
今回の記事を踏まえた上で昨日の記事を読むと、上流の母岩が下流の畑地に影響を与えるだろうなというイメージがより強固になる。