昨年、縁あっていくつかの地域に訪れ、訪れた先で栽培上の悩みを聞く機会が多く、悩みを解決する直接的な方法は知らないけれども、地域の特性を調べて及第点にはなるだろう返答をしていた。
半年後に再び状況を確認してみると、大体の地域で秀品率は少しは上がり、新たな悩みが発生していた。
新たな悩みは物事が前進した証拠であって、その悩みは想定の範囲内の変化であった。
これらの話を踏まえた上で、再び頭に浮かんだのが、
黒ボク土は本当に栽培しにくい土地なのか?
黒ボク土の利点を挙げると、
・排水性が高い
・土が固くなりにくい
・保肥力が高い
というこの3つが言えるだろう。
欠点を書く変わりに専門家の黒ボクに対するネガティブなイメージを書くと
・活性アルミナが出やすい
・養分を溜め込みやすい
・pHが低くなりやすい
(・高畝ができない)
とあるけれども、
これらの話は本当に栽培しにくい理由になるのか?
活性アルミナが出やすいということは腐植の定着率が高いので、活性アルミナを丸めるものを予め入れておいたら、爆発的に環境が良くなることを意味しているし、
養分を溜め込みやすいということに何のデメリットがあるのだろうか?
pHが低くなりやすいのは、対処できる良質な肥料がたくさんある。
土が固くなりにくければ、塩が溜まりにくいわけで、養分を溜め込みやすいというのはおそらく硝酸態窒素がなかなか抜けないということだろうから、減肥率にこだわらなければ良いはず。
養分周りを解決すれば、高塩ストレスを回避できるので秀品率は上がる。
黒ボクがいまいちというイメージがあるのは、黒ボクを中心として技術書が作られたからに他ならない気がしてならない。
こんな土を見せられて、いやいや黒ボク土は育てにくいと言われても、やっぱり黒ボク土を選ぶだろう。
この土が地域でいったら中の上の状態だったりするわけで…