玄米に含まれる脂肪酸の組成が気になったの記事で、玄米に含まれる脂肪酸の組成をこめ油の組成から判断してみた。
必須脂肪酸は含まれているが、α-リノレン酸が少ないことが気になった。
α-リノレン酸は元から少ないのか?
それとも、米ぬかに含まれる物質の合成の為にすでに使われて少なくなったのか?
それを調べる為に米ぬかに含まれる栄養を見ていくことにした。
こめ油は痛みにくい食用油だとされる。
脂肪酸の組成によるものかもしれないし、必須脂肪酸の観点からゴマ油を考えるで触れたゴマ油のように抗酸化作用を持つ物質が含まれていて、その物質が優秀なのかもしれない。
後者の視点で検索をしてみたら、廣森浩祐等 こめ油からのビタミン E 類の分離技術 - オレオサイエンス 第 17 巻第 6 号(2017)にたどり着いだ。
こめ油の特徴的な成分として、
Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる
トコトリエノールというものがあるらしい。
これはスーパービタミンEとして扱われている抗酸化作用のある脂溶性ビタミンで、
Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる
一般的に言われるビタミンEのトコフェロールと比較して、二重結合(二重線)の箇所が三個程ある。
この二重結合の箇所は風邪の予防にミカンというけれどの記事のカロテノイドの作用で見たものと同様の可能性が高く、一般的なビタミンEよりも高い抗酸化作用を持つことになる。
※上記で紹介した報告ではトコトリエノールの抗酸化作用はトコフェロールの40〜60倍
トコトリエノールにあってトコフェロールにない薬理作用として、抗がんや動脈硬化改善があるらしいが、これは脂肪酸の酸化を回避することなのだろう。
故にこめ油も傷みにくいということに繋がる。
トコトリエノールはこめ油かパーム油等の限られた食用油にしか含まれていないらしいので、国内で米の消費が減っている現状を考えると損失が多いなと残念に思う。
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