青枯病対策としてのDIMBOAまでの記事で、
厄介な青枯病やヨトウの防除のことを整理した。
病気と食害を交互に見ることで、
どちらの被害軽減に対して同じ事を見ているように感じてくる。
そんな中で興味深い読み物を発見した。
瀬尾茂美等 今日の話題 ありふれたアミノ酸が植物病害を抑える アミノ酸による植物のパワーアップ - 化学と生物 Vol.56. No.6. 2018
上記の記事では、
トマトの青枯病に有効な農薬の開発というテーマで、酵母抽出液から発病を抑える効果の物質を発見したらしい。
その物質の分析をかけてみたところ、
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ヒスチジンというアミノ酸であった。
アミノ酸にはL体とD体という違いがあるが、
今回話題に挙がっているのは日常的によくある方のL体であるので、この違い(光学異性体)は気にしなくて良い。
今までアミノ酸肥料は予防薬と組み合わせて使用という扱いだったが、
アミノ酸肥料自体が予防の意味合いを持つことになる。
今回の話は双子葉植物と単子葉植物でアミノ酸に対する生理応答が異なっているらしく、
単子葉植物のイネではグルタミン酸によって病気の抵抗性が向上したそうだ。
となると、
グルタミン酸を豊富に含む黒糖肥料を仕込んでおくことも有効であるはずだ。
イネの場合、サリチル酸の話題に触れていた為、
防御の植物ホルモン、サリチル酸の記事にあるような
作物間の予防の伝播なんかも期待できるかもしれない。
前に緑肥のマルチムギ(単子葉植物でイネ科)に黒糖肥料を与えようという話題を挙げたが、予防の面でも価値が高い可能性が出てきた。