今回はイチゴの栽培は難しいの続きの記事の続き。
イチゴの栽培を難しくしている要因のうどんこ病等の病気は紫外線照射により抵抗性が増すことで予防できる事がわかった。
今回は他の要因であるハダニについて見ていくことにしよう。
ハダニの被害といえば、葉の表面を食害され、葉が白っぽくなる症状になる。(写真なし)
ハダニの対策をざっくりと挙げると
・ハダニの個体数を増やさない環境作り
・ハダニの天敵を増やす
・イチゴの方でハダニに対する抵抗性を強化する
の三点だろうか。
一番目のハダニの環境の話題はおそらく下記の記事が参考になるだろう。
土壌ECを高めない工夫がハダニに適した環境を少しでも軽減出来るはず。
あとはハダニは直射日光に弱いという定説があり、日光の紫外線が降り注ぐ日中は葉の裏に隠れる。
この特性を利用した防除があるが、それは先日の記事にあるリンク先の研究報告に目を通してほしい。
※二番目の天敵の話に繋がる
三番目の抵抗性の話が重要になる。
抵抗性といえば、サリチル酸(SA)、ジャスモン酸(JA)とエチレンといった植物ホルモンによって誘導される。
ハダニへの抵抗性はおそらくジャスモン酸(JA)だろうか。
であれば過去記事に記載されている内容が役に立つかもしれない。
他に興味深い研究報告を紹介しておくと、イチゴに緑色光の照射を行うと抵抗性が増したという研究報告があった。
工藤りか著 緑色光照射による植物の病害抵抗性誘導 ―緑色光によるイチゴ炭そ病防除から― - 植物防疫 第 66 巻 第 11 号(2012 年)
イチゴの栽培は施設栽培で遮光してしまった分の光をどのように補うか?ということに注目すれば、栽培の難易度は大分低く出来るかもしれない。
オススメの記事
後藤英司 高品質作物生産のための光環境制御 - 日本農業気象学会2008年全国大会講演要旨
※UV-AとUV-Bについて触れていて、UV-Aは作物の栽培にとって有用
増井伸一等 温室メロンにおける UV―B 照射によるハダニ防除の効果と実用化のための課題 - 植物防疫 第 68 巻 第 9 号 (2014年)