イチゴの栽培は難しいの話の続き
イチゴは栽培の旬とニーズがズレているため、生育上得意としていない環境での栽培になり、病気になりやすく、虫の被害を受けやすい。
更に栽培を難しくする要因として、ミツバチによる花粉の媒介がある以上、むやみに殺虫剤を使用することができないということもある。
そんなイチゴの栽培だけれども、よく見聞きする内容として下記がある
・うどんこ病
・炭疽病
・ハダニ
※各々写真はなし
イチゴのハウス栽培とうどんこ病で気になった事があるので、今回の記事で整理しながら記載する。
Pollinator から en.wikipedia.org, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
写真の作物は異なるが、うどんこ病や炭疽病の感染経路は葉の表面に付着した菌が物理的に入り込んでいくタイプになる。
このタイプの菌といえば、イネのいもち病が思い浮かぶ。
イチゴのうどんこ病とイネのいもち病の耐性の機構が類似していると仮定するならば、いもち病の抵抗性を色素の観点から見てみるの記事に記載したように遮光フィルターとしての色素と構造が近いフラボノイドが重要となる。
遮光フィルターとしての色素が合成されるタイミングを整理してみると、植物が有害な紫外線から身を守る為のフラボノイドの記事で紫外線がトリガーとなることを記載した。
イチゴの栽培といえば、旬とニーズが異なるため、環境制御をする必要がありハウス栽培になる。
ハウスといえば紫外線を遮光するという話題があって、フラボノイドに意識を向けての記事では仮説風に話を進めているが、ハウス栽培でフラボノイドの合成量という報告があったりする。
であれば、イチゴの栽培の難易度を下げる為には、紫外線を活用すれば良いということになるわけだけれども、そんな研究報告既にあったので共有しておく。
紫外光照射を基幹とした イチゴの病害虫防除マニュアル ~技術編~ - 農研機構中央農業研究センター
この報告では、うどんこ病の耐性として、
Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる
フラボノイドのカルコンを挙げていた。
カルコンは色素ではないけれども、色素の合成の途中で生成されるもの。
フラボノイドを合成する為の金属酵素を適切に摂取していた上で適切な量の紫外線を浴びていれば、イチゴの栽培の難易度は大きく下がるはず。
イネの方の話題になるけれどもいもち病を軽減できれば、株の弱体化を防ぐ事が出来るので、虫の食害の被害にも繋がる事になるから。
フラボノイドの合成量が増せば、イチゴの果実の色がより鮮やかになるのでは?と予想している。
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