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苦味や渋みのタンニンまでの記事の流れからわかる通り、

ポリフェノールについての興味が日に日に増している。


ポリフェノールの理解が深まると、

日々の食事が豊かになることはもちろんのこと、

土についての理解が深まるのではないか?と期待している。


ポリフェノールという難題に手を付ける為に、



羊土社から出版されている基礎から学ぶ植物代謝生化学という本を購入して読み始めてみた。

この本は植物が合成する様々な物質をどのような物質を経て合成されるか?が順を追って知ることが出来る良書である。




いきなり話は脱線するけれども、

ポリフェノールが属する芳香族化合物の章を読んでいたら、とある文章が目に付いた。



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バラ科サクラ属の樹皮にはサクラネチンというフラバノンが含まれている。サクラネチンは、イネ科イネでは、「いもち病」に対するファイトアレキシンとして産生される。

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羊土社 基礎から学ぶ植物代謝科学 56ページより改変して抜粋

と記載されていた。

いもち病 - Wikipedia


先に用語の解説だけれども、


By Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link


フラバノンというのはフラボノイド(ポリフェノール)の一種で、

フラバノン - Wikipedia


ファイトアレキシンというのは抗菌性を持つ二次代謝産物の総称である。

植物体内に侵入してきた病原性微生物の増殖等を阻害するといった機能を持つ。

ファイトアレキシン - Wikipedia


これらを踏まえた上で


By Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link


サクラネチンはイネのいもち病に対する耐性だと言える。

サクラネチン - Wikipedia




次に知りたいことを挙げると、サクラネチンの合成経路だろう。


上記で紹介した本や下記のPDFを参考にすると、

水と二酸化炭素からはじまる光合成からサクラネチンが合成されるまでに関与する酵素群を知ることは可能。

植物に含まれる生理活性物質の化学と生理機能に関する研究 - 日本農芸化学会功績賞


であれば、

肥料でいもち病を軽減させることもおそらく可能ではあるのだけれども、

ざっくりと見る限り、様々な要素が関与している為、これだ!といった特別な肥料はない。

いつも通り秀品率を高める為の試行錯誤がいもち病の発生を軽減させるのだろうなと。

施肥設計の見直しで農薬防除の回数は確実に減らせる


ちなみに上記で紹介した論文によると、

サクラネチンの合成に関与する遺伝子が特定されているため、

サクラネチンを多く合成する抵抗性品種の作出や微生物を介してサクラネチンを大量に合成するといったことが期待できる。


まだまだ知らないことだらけだと自身の無知さを痛感しつつ、

無知故に伸びしろが多いと明るい未来も多いと同時に感じている。


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