前回のオクラのネバネバ成分は何なのか?の記事で、水溶性食物繊維であるペクチンに改めて触れた。
ペクチンは食物繊維に分類されるが、グルコースといった定番の糖ではなく、D-ガラクツロン酸が直鎖状になったものにラムノース等の糖で装飾されている。
人がペクチンを摂取したらどうなるのか?
夏バテと呼ばれる症状にペクチンの摂取は有効なのか?
この疑問に対して、北口公司 あたり前に在るペクチンに秘められた複雑さ ペクチン摂取による生理機能制御と疾病予防効果 - 応用糖質科学 第 10 巻 第 4 号 (2020)が明確に答えてくれている。
上記の読み物によると、人体でのペクチンの摂取から期待できる効果は大きく分けて三点あるそうだ。
前提としてあるのが、人はペクチンを消化できる酵素を持ち合わせておらず、ペクチンを直接吸収できない。
それを踏まえた上で、
・満腹感を与えたり、ペクチンが小腸を通過して大腸に向かう際に、脂質に作用して脂質等の吸収を抑える。
・腸内細菌の増殖の餌になる
・(作物の種類にもよるが)小腸粘膜が変化する
※抗炎症作用も上記に含ませることにする
※アルブミンの吸収量の増加の報告があるらしい
雑なまとめになるけれども、人がペクチンを摂取することで、胃もたれするような成分を減らしつつ、腸自体の負荷を少なくして摂取した他の食物の吸収阻害を減らすといった効果が見込めると。