先日、知人と話していて、カビ(糸状菌)には(植物にとって)良いものも悪いものもいるという話題から、作物の生育に悪影響を及ぼすマイコトキシンの話題になった。

マイコトキシンという言葉はよく聞くけれども、マイコトキシンについて一度も調べたことがないなということで、検索してみることにした。


はじめにマイコトキシンの定義をWikipediaから引っ張ってくると、

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マイコトキシン (Mycotoxin) とは、カビの二次代謝産物として産生される毒の総称である。

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マイコトキシン - Wikipedia


とりあえず、マイコトキシンはカビが合成する毒性のある物質の総称ということがわかったところで、知人との話題に挙がったマイコトキシンの一種であるフモニシンについて見てみることにする。


Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる


フモニシンはトウモロコシの生産性を下げるマイコトキシンであるらしい。




フモニシンの作用機構を調べてみると、

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作用機序はスフィンゴシンアシルトランスフェラーゼの阻害である。

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フモニシン - Wikipedia


Ed (Edgar181) - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる


スフィンゴシンは長鎖アミノアルコールで、リン脂質の材料であったり、最近機能の解明が盛んなセラミドの材料になる。

これらは細胞内反応過程における脂質信号伝達分子として働く。

スフィンゴミエリン - Wikipedia

セラミド - Wikipedia


アシルトランスフェラーゼはおそらくスフィンゴシンからセラミドを合成する際に関与する酵素であるはず。

これらの内容を踏まえて、フモニシンの毒性を判断すると、脂質信号伝達分子の働きを阻害している可能性があるということになる。




次に気になるのがセラミドの働きだろう。

セラミドについて検索してみたら、誰も知らない「セラミド」の秘密を解明したい - 古賀 仁一郎 教授|理工学部|バイオサイエンス学科 - 帝京大学のPDFに辿り着いた。

今回の話の趣旨とは異なるけれども、イネにおいて、いもち病のカビが合成するセラミドを認識して、自身の免疫力を高めているという内容が記載されていた。

いもち病の抵抗性を色素の観点から見てみる


植物自身が合成するセラミドにもおそらく免疫を高める機能があると仮定して、再びマイコトキシンのフモニシンについて見ると、おそらくこのカビは周辺の植物を弱体化させた後に植物から養分を摂取しているのでは?と予想出来る。


作物に悪影響を与えるカビが周辺にいなければ、もしくは優先していないければ、それだけで作物が病気にかかる率が減る事に繋がるかもしれない。

病気にかからなければ、殺菌剤の使用が減るわけで、虫による食害も自然と減る事に繋がるはず。

殺菌剤を使用すると虫による食害被害が増加する


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観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです


追記

植物のセラミドに関する読み物

植物スフィンゴ脂質の構造多様性と代謝経路の解析 - 公益社団法人日本生化学会