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栽培中の作物にクエン酸溶液を散布すると発根促進や食味の向上に効果があるのか?という話題になった。

おそらく上記の効果はあるのだろうけれども、この話に関して懸念していることがあるのでそれも合わせて触れることにしよう。

合わせて、最近時々見聞きするとある農法で話題に挙がる酢酸の散布も合わせてみていく事にしよう。




先にクエン酸と酢酸の共通点に触れておくと、どちらもブドウ糖(グルコース)を代謝している時に出てくる低分子の有機酸だ。

有機酸の中では比較的に酸度が強いものになる。

クエン酸回路で電子をたくさん得る

酸の強さ


ここでく溶性という用語を引っ張ってくると、


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上で挙げた有機酸は根が土壌粒子から養分を溶かして吸収する時に分泌する酸と似ているもので、上の有機酸が直接発根や味覚に影響を与えている可能性が低いと言える。

有機酸で土壌中から金属系のミネラルを溶かして吸収する為、それらが光合成を活発にして成長や味覚に良い影響を与えることは容易に考えられる。

く溶性の使いどころ


ここでこの栽培技術に対して一つ不安に思うことがある。

カリや各種微量要素といった土壌の鉱物から溶け出して効くものは有限ということ。




栽培の教科書レベルではカリは不足しないと言われるので、最近至るところでカリ不足を見かける。

カリ不足は合わせて各種微量要素欠乏の可能性もある。

野菜の美味しさとは何だろう?カリウム


これらの背景の中、クエン酸を散布したら発根促進や味覚の向上といったイメージが先行して、実践した最初は良かったけれども、土の酷使が激しいので比較的はやい段階で不毛の土にしてしまうということが増えるのではないかと懸念している。

畑作を続けることは難しい


有機酸が各種微量要素を含む金属系の養分を溶かし出すだけなら良いのだけれども、土には養分以外に粘土鉱物があるからね。

粘土鉱物は酸に触れることで形を変える。

緑泥石から土の形成を考える


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