今年はヨトウの被害がひどかったという方が多かった。

ヨトウというのはヨトウガという鱗翅目の昆虫で、

その中でもヨトウの幼虫による食害がひどい。

ヨトウガ - Wikipedia


この話を聞いた時、

そういえばヨトウに関する文章をどこかで読んだぞ

ということを思い出し、


帰宅してから本棚を漁ってみた。





共立出版 基礎から学べる菌類生態学の内生菌の章でヨトウに関する興味深い記事があった。


その個所を抜粋してみると

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ホソムギにグラスエンドファイトのネオティホディウム・ロリイ Neotyphodium loliiが感染すると、害虫のカメムシが摂食しなくなった。また、同じ内生菌の感染した植物を餌としてヨトウムシの幼虫を飼育すると、非感染植物を与えた場合に比べて著しく抑制された。

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※共立出版 基礎から学べる菌類生態学 85ページより抜粋

と記載されていた。


ここでは写真は載せないけれども、

文中の図にはスジキリヨトウの大きさの差が、グラスエンドファイトに感染されたもので通常の1/2程度となっていた。

※スジキリヨトウは芝の害虫


グラスエンドファイトというのは、

以前紹介したエンドファイトとは異なり、

エンドファイトと呼ばれる菌たち


イネ科植物を宿主とする子嚢菌門バッカクキン科の菌類のことを呼び、

抜粋中にあるホソムギというのは、イタリアンライグラスという緑肥の草になる。

ネズミムギ - Wikipedia


ホソムギ内にいる内生菌が合成するアルカロイドに毒性があり、

脊椎動物や非脊椎動物が摂取すると何らかの生理障害が発生する。




グラスエンドファイトの農業利用の話はちらほらと目にするけれども、

実用できる段階まで確立したものは見たことがない。


野菜園芸作物に被害を与えるヨトウは、

種類によってはイネ科の草を摂食しないということもあるので、

ヨトウ対策としての緑肥の囲い込み等は難しいかもしれない。

イネ科緑肥の効果、再考の再考


ヨトウの幼虫は土に潜るという性質があるので、

イタリアンライグラスが密集しているところに近寄らない

という特徴があれば、

イタリアンライグラス周辺を産卵場所にしないはず。


もしかしたら、

ヨトウの幼虫の餌を求めての大移動は避けられるかも。


この話は想像から抜けていないので、

とりあえずグラスエンドファイトのことがまとめられた翻訳本があるので、

それを購入して読んでみることにする。


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