サリチル酸の角質軟化作用について4までの記事でサリチル酸の構造上の特徴やタンパクの変性について見てきた。
細かく見ていくことで、ベンゼン環、ヒドロキシ基やカルボキシ基について少しずつ理解が進んでいるように感じる。
本当に微細な程少しずつね。
File:Aspirin-skeletal.svg originally by Benjah-bmm27 and Booyabazooka, edited by Fvasconcellos - File:Aspirin-skeletal.svg, パブリック・ドメイン, リンクによる
サリチル酸だけれども、タンパクの変性の他に重要な作用がある。
それは脱脂作用で、今回はそれについて見ていくことにする。
今までの内容で、ベンゼン環(六角形の箇所)は非極性(水に溶けない)、フェノール性ヒドロキシ基(-OH)は極性があり、カルボキシ基(-COOH)も極性があるため、
のような特徴になる(はず)。
※非極性を疎水性とし、極性を親水性と表記している。
※ヒドロキシ基の水素が外れることに関しては自信がない
この性質は、
界面活性剤と似ている為、サリチル酸にも界面活性作用がある。
※ただし界面活性作用は弱い
この性質が角質層にある油脂と反応して除去することに繋がり、油脂自体が水を弾く作用があるため、油脂がなくなることで、角質層が水を含みやすくなり角質軟化作用の一因となる。
肥料のことを調べていると、頻繁にベンゼン環に遭遇するので、今回のような生物とベンゼン環の話題があれば、積極的に見ていき、ベンゼン環の理解を深めていきたい。