植物性の食品に多く含まれる非ヘム鉄はどんな形?の記事で、鉄分が多いとされるコマツナ等の軟弱葉物に含まれる鉄の構造を見た。
植物性の非ヘム鉄に分類される鉄の大半は光合成の電子伝達体で関与する鉄硫黄タンパクであるらしい。
ここで一つ疑問が浮かぶ。
植物性の鉄で豊富に含まれているのは軟弱葉物だけではなく、
ダイズも鉄分が豊富に含まれていると言われている。
ダイズは見ての通り、タネであって光合成は行っていない。
発芽後にすぐに必要になるかもしれないので、電子伝達体の鉄硫黄タンパクは含まれているかもしれないけれども、他の形の鉄があるかもしれない。
というわけで、ダイズの鉄について検索をしてみたら、増田太郎等 鉄代謝のキープレイヤー・フェリチンの鉄給源としての可能性について フェリチン鉄は「第三」の栄養鉄形態か? - 化学と生物 Vol. 55, No. 8, 2017でフェリチン鉄について触れていた。
フェリチン鉄といえば、人は鉄鍋由来の鉄を摂取しても活用することができるのか?の記事で参照元のリンクとして話題に触れたが、様々な生物が持つ鉄を貯蔵するためのタンパクだ。
前回までの記事で触れてきた非ヘム鉄に分類されるだろうけれども、ダイズ摂取時にフェリチンが鉄の吸収を阻害する要因との接触を抑えるため、他の非ヘム鉄よりも吸収しやすい鉄である可能性が高いそうだ。
鉄の吸収を阻害する要因というのは、野菜の美味しさとは何だろう?亜鉛の記事で触れたフィチン酸や、記事では触れていないがタンニンがある。
前回の記事から非ヘム鉄の構造を挙げていくと鉄の吸収についての詳細が少しずつ開けてくるから良いね。
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