(主に露地栽培で)トマトの果実のヒビ割れがある。

これは果実の肥大期に大雨等で根から急速に吸水した時に果実に水が集まり、内側からの膨圧に耐えられるに果実が割れる現象だと言われている。

割れた果実は糖濃度が下がってしまうため、割れる直前よりも美味しくなくなる。


土作り有りきのトマト栽培で果実のヒビ割れは花落ちと同じレベルの難所になるだろうから整理しておいたい。




ヒビが割れるという現象のみに注目すると、果皮が硬ければ内側からの膨圧に耐えられるわけで、果皮自体を丈夫にすればヒビ割れは回避出来ることになる。

果皮は薄いと言えど、細胞壁を持つ細胞で構成されているわけで、茎を固くする手法を持ち出すと、


植物はカルシウムを使って体を丈夫にする

水溶性の食物繊維のペクチンは吸着能を持つ


一番最初に思いつくのが、水溶性の食物線維のつなぎになるカルシウム。

イネ科で言われているのでもしかしたらトマトでも同様の効果がありそうなケイ素。

台風でも倒伏しないイネ

ダイコンで言われているけれども、トマトではどうだろう?という状態のホウ素。

ホウ素という栽培に潜む罠


先に効果の有無は置いといて、ケイ素とホウ素を見ておくと、これらは土作り有りきなので、粘土鉱物を意識していたら改善されるかもしれない。

※ホウ素は海水に含まれているらしいので、海成粘土にも含まれていると仮定

緑泥石からベントナイト系粘土鉱物肥料を考える




これらを踏まえた上でカルシウムについて触れるけれども、カルシウムというのが実に厄介な要素だったりする。

カルシウムは移行性が弱く、一度茎は葉に定着すると、その後の生育で欠乏症になっても、古い葉から新しい葉に転流が起こりにくい。


つまりは、果実の形成の時でも常に必要量吸収し続けなければならないことになる。


しかし、



トマト栽培では果実形成前に木をいじめるという過程があって、根からの吸水量が少ない状態で果実の形成を迎える。

吸水と一緒にカルシウムの吸収も行うので、果実形成前にカルシウム欠乏に陥る可能性がある。


更にたちが悪いのが、トマト栽培では土作りを行わないという慣習があり、土作りを行わないことで顕著に現れるのが土がカルシウムの過剰になっていること。

カルシウムがたくさんあれば良いことではないか?という事がすぐに頭に浮かぶだろうけれども、土のカルシウム過剰の状態は株のカルシウム欠乏を誘発する。

詳しくは下記の記事で整理しているのでこれ以上触れない。

カルシウム過剰によるカルシウム欠乏


果実形成期に根からの吸水は抑えたいけれども、カルシウムが適切に吸収出来なくなって、果皮が柔らかくなるのは避けたい。

この問題を回避するためには植物学の深い理解が必要になるだろうから、この難題に思考レベルで挑戦してみよう。


おそらく吸水を控えるのではなく、養分転流をうまく活用して、果実よりも葉に優先的に水分が行き渡れば良いのではないか?と予想している。

師管の働きと圧流説