京都大学学術出版会から出版されている原 正利著 どんぐりの生物学 ブナ科植物の多様性と適応戦略という本を読みつつ、近所のブナ科の多そうな場所に訪れる日々を過ごしている。
ドングリについて丁寧に説明が記述されているので、改めてわかる事が非常に多い。
例えば、
ドングリはタネというイメージが多いけれども、ドングリの部分の名称が堅果になっていて、実はタネの周りに非常に薄い果実の層があるとか。
本の内容とは順がずれるが、木の種類を特定する上でのヒントがたくさんあるので、その内容に触れる事にしていこう。
ドングリのタネは他の種と比較して、乾燥に弱いとされるが、そんなドングリにも休眠性というものがある。
ドングリ自身が適切な時期(季節)に発芽出来るようにしている工夫のようなものだ。
この休眠性について印象に残った事があるので紹介すると、アベマキとクヌギの休眠性の違いで、アベマキは休眠性が弱く発根してから冬を越すのに対し、クヌギは休眠性が強く春になってから発芽するという記載があった。
クヌギの幼根の休眠を完全に解除するには、低温処理を120日くらい要するとのこと。
クヌギのドングリが10月中頃に形成するのであれば、休眠が解除されるのが3月初旬前あたりになる。
ちなみにアベマキとクヌギはどちらも地下子葉性(子葉が土に残ったまま)に分類される。
これらの内容を踏まえると、
落葉高木の下のドングリたちで触れた発根しはじめているドングリはアベマキになる。
※写真のドングリが今年できたものであればだけれども…
森の光が差し込むところのドングリたちで触れた芽生えもアベマキだと言いたいところだけれども、発芽してからどれ程の期間で写真の段階になるのかわからないので、この木がなんと呼ばれているのか?は判断できない。