農研機構のプレスリリースを眺めていたら、(研究成果)トマトなどの虫害を天然物質で予防 | 農研機構というものを見かけた。
タバコ由来の天然物質であるロリオライドをトマトの葉に与えたところ、作物の重要害虫であるナミハダニ、ミカンキイロアザミウマやハスモンヨトウの生存率と産卵数の低下が確認できたとのこと。
ロリオライドは直接的な殺虫作用は持たないので、プラントアクティベータとして働いたということがわかった。
これはとても明るい未来に繋がる研究成果であって(他の研究成果も同様に未来を明るくする)、プレスリリースもちゃんと見ておかなければならないなということで、Feedlyに農研のプレスリリースのRSSを登録しておいた。
RSSは欲しいコンテンツを確実に取れるので、フィードアグリゲーターは重宝している。
という脱線はここまでにしておいて、ロリオライドの件で改めて認識したこととして、作物を食害する昆虫等に対してもプラントアクティベータがあるということ。
プラントアクティベータといえば、病原性の微生物が植物体内に侵入する際に防御に関する機能を壊しながら突き進む際、侵入されないように防御を固めるというイメージであった。
他に確証のあった話ではないけれども、葉からサリチル酸メチルを揮発することで、葉を食害している昆虫等を捕食する昆虫等を呼べるという作用もあった。
今回のロリオライドは後者のサリチル酸メチルの要素も大きいのだろうか?
ナミハダニといえば、ナスの施設栽培に迫りくる脅威の記事で紹介したプロテアーゼ活性阻害がある。
プロテアーゼ活性阻害といえば、侵入者の攻撃の手段を潰すもので、活性が阻害されるということは攻撃され放題になるということだ。
ロリオライド(上の図の左)に触れておくと、ロリオライドはカロテノイドが分解された際に生じると考えられている。
脂溶性ビタミン - 厚生労働省 118ページより抜粋
カロテノイドと言えば、炭素が直鎖状に繋がったもので、これがぶつ切りされ、端が閉環したものという解釈で良いのだろうか?
仮説のものがちらほらとあるけれども、植物が昆虫に対しての防御反応が見えつつあるなと。
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