糸魚川-静岡構造線が観測できる断層があるフォッサマグナパークから北へ6km程進むと、
フォッサマグナミュージアムという博物館がある。
この博物館で、
よくわかる糸魚川の大地のなりたちという本を購入して読んでみた。
この本の中に興味深い話があった。
フォッサマグナと生活というテーマの一つの話としてフォッサマグナと地すべりという話題があった。
そこには
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フォッサマグナは全国屈指の地すべり多発地域です。フォッサマグナの海底にたまった地層は、現在もよく固まっておらず、しかも地すべりを起こしやすい粘土鉱物をたくさん含んでいるからです。(途中両略)
地すべり地の多くは棚田に利用されています。これは、たびたび起こる地すべりによって、緩斜面が生じること、土壌が撹拌されること、地下のすべり面に沿って豊富な地下水が流れ下り水持ちがよいこと、など水田に適した条件が備わっているからです。「耕土一寸米一石」という言葉が示すように一寸(約3cm)深く耕すと一反(10a)当たり、米一石(約150kg)の増収があります。昔の人々は地すべりで大地が動くということを十分承知しながら、少しでも収量の多い地すべり地へ入って水田を開発したものと思われます。
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※よくわかる糸魚川の大地となりたち 17ページより
という内容が記載されていた。
ここでいう粘土鉱物というのは下記の記事のことだろう。
先日話題に挙げた長野の栄村小滝集落はまさにフォッサマグナの北の中心あたりで、地すべりや地震といった自然災害が発生するのを承知の上、より良い米を収穫するために果敢に移住していったのだろうな。
と本を読んでいる時にふと頭に浮かんだ。
本の続きで
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現在の棚田は、地下水の涵養(かんよう)に大きな役割を果たし、野生生物を育み、逆に地すべりの活動を防ぐという効果を発揮しています。
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と記載されていた。
水田には自然災害を防ぐという意味合いもあるならば、今一度、水田の技術というものを見直すタイミングであるのかもしれない。