下津のミカンの記事で和歌山のミカン農家を訪ねて以降、ミカンの隔年結果について気になっている。
隔年結果とは、果樹園芸作物で実のなる年とならない年があることで、栽培方法や環境によって毎年実がなることもあるそうだが、どうしてそうなるのか?が不明な現象であるらしい。
隔年結果について、Wikipediaからの記載を抜粋してみると、
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果実の成長と同時に翌年の花芽形成が行われる果樹に特にみられる。一般にはたくさんの果実が付いた年の翌年には花芽形成数が減少する
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原因としては、個体内での栄養の偏りや競合、植物ホルモンの影響やフェノール性化合物の蓄積等が考えられるが、栽培地域での同調現象も見られるので気候が要因であるかもしれない。
ミカンではないが隔年結果の研究を見ると、植物ホルモンを基軸にしたアプローチがあったので、これが一番はやく答えに行き着くかもしれない。
KAKEN — 研究課題をさがす | 果樹における隔年結果現象のメカニズム解明-花成関連遺伝子解析からのアプローチ (KAKENHI-PROJECT-22780022)
ミカンの果実形成において気になる事といえば、ウンシュウミカンが減らした苦味成分は何か?の記事で種無しミカンにおいて、種子形成がなくても果実が肥大化することだろう。
肥大化の要因はジベレリンという植物ホルモンが関与していて、果実形成以外にも影響を与える。
とりあえず、本来であれば発現しないタイミングでジベレリンが発現しているので、長い品種改良の歴史の中でジベレリンの発現量が増え、株全体でジベレリンの過剰発現が起こっていると過程してミカンの栽培を俯瞰してみよう。
高校理科レベルのジベレリンの話題からピックアップしてみる。
ジベレリンといえば、稲の馬鹿苗病から発見されたという経緯がある。
詳細は端折るけれども、稲の苗でジベレリンが効きすぎると徒長して枯死するという現象がある。
上記の内容からジベレリンは伸長成長の促進という効果がある植物ホルモンという事がわかり、身の丈に合わない成長であれば成長についていけず枯死する。
種無しミカンのジベレリンの発現量が多いという仮説の中では、上記の身の丈に合わない成長が常に起こっているという事を常に頭の片隅に入れておく必要がある。
これを踏まえた上で、ジベレリンの次の話題について見ていくことにする。