定期的に観察しているミヤコグサ群で旗弁(上の花弁)の縁が赤くなっている花を見かけた。
ミヤコグサの花弁に数本の赤いすじの記事で花弁で黄と赤があるものは珍しいということに触れたけれども、縁が赤くなっているという現象もきっと珍しいのだろうなとこの花を見て思った。
前回の花の色を決める4大色素の記事の内容を加味すると、なぜミヤコグサの花の色が珍しいのか?が見えてくるかもしれないので、ミヤコグサの花弁の色素について調べてみることにした。
「ミヤコグサ + 色素」のキーワードで検索したら、千葉大の園芸学研究科のとあるページにたどり着き、そのページにはミヤコグサの花弁の色素は「フラボン類 + カロチノイド」と記載されていた。
含有色素成分による花色の変異 - 千葉大学園芸学部・花卉園芸学研究室
逆順になるが、カロチノイド(カロテノイド)は基本黄色で、酸化等により赤くなる色素というイメージがある。
フラボン類はもう少し詳細を知る為に検索してみたら、ミヤコグサ由来フラボノイド 8-水酸化酵素遺伝子の単離と機能解析 - 第52回日本植物生理学会年会要旨集の概要に「フラボノールケルセチンの 8 位が水酸化された 8-ヒドロキシケルセチン配糖体である」と記載されていた。
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上の図がケルセチン(クェルセチン)で、8位ということは図の真ん中の下の方にある-OHに何らかの糖が付いたものが
ミヤコグサの花弁になるということになるのね。
※反応性の高いポリフェノール等の化合物に糖が結合したものを配糖体といい、機能が変わったり、安定性が増したりしたはず
ちなみにこのフラボノイドは黄色の色素であるらしいので、フラボン類が黄色で、カロテノイドも黄色になるので、ミヤコグサの花は鮮やかな黄色という事になるのだろう。
ケルセチンの配糖体の方はおそらく構造上比較的安定だろうから、花弁の赤の要因はおそらくカロテノイドの方かなと。
花弁が形成されて時間が経つにつれて赤くなるのはおそらくカロテノイドの酸化に依るものなのかな?と。
ミヤコグサの花弁で黄色と赤が混在しているのは、花でフラボン類 + カロテノイドという組み合わせがあまりない事に依るのか?
そういえば、ケルセチンといえば、ハチミツ内に含まれるフラボノイドとして時々見かけるけれども、もしかしたら摂取すると人体にとって何らかの良い影響があるとか?
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