ラムネ菓子を食べている時に袋にブドウ糖という表記が目について気になった。
ブドウ糖をウリにしている菓子が増えたなと。
ハチミツの美味しさと各種糖の甘味度の記事で記載したけれども、ブドウ糖は糖ではあるけれども、砂糖(ショ糖)と比べると甘く感じないんだよな。
お菓子の美味しさとしてはブドウ糖を含める事で味が低下するので、脳が速やかに利用出来るという機能性といった意味合いが強い事になる。
もう一つブドウ糖の大きな特徴といえば、還元性を持つ糖ということで、還元性といえば反応しやすいという理解で大体合っているので、還元性の高い糖を含めることで品質管理が大変になるのではないの?と思ってしまう。
それ故、植物の光合成において水 + 二酸化炭素 + 光でブドウ糖を合成するが、
Don A. Carlson - Self-made with Inkscape and .svg glucose and fructose graphics from the CommonsこのW3C-unspecified ベクター画像はInkscapeで作成されました., CC 表示-継承 3.0, リンクによる
貯蔵用ではショ糖として各々の糖の還元性を相殺するように結合して貯蔵する。
※上の図の左がブドウ糖(グルコース)で右が果糖(フルクトース)、二つの糖が結合してショ糖(スクロース)になる。
ここで気になった事がある。
植物は糖を貯蔵する際、ショ糖の形にするということは、砂糖菓子にブドウ糖を配合する為には工業的な処理によりブドウ糖を生成する必要があって、原料は何を使い、どのような手法で製造するのか?ということ。
※小巻利章 酵素糖化法によるぶどう糖製造 - 化学と生物 Vol.6, No.9
ブドウ糖の製造で検索をしてみたところ、グルコアミラーゼという酵素を用いた酵素液化法という手法によってデンプンからブドウ糖を生成しているそうだ。
デンプンといえば、ブドウ糖を直鎖状に繋いで貯蔵性を高めた炭水化物で、酵素反応によって少しずつ繋がりを切っていけば、たしかにブドウ糖になる。
この話で興味深いのが、デンプンを処理する酵素を黒麹菌から抽出しているということ。
組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査に関する部会報告書 - 厚生労働省
もう一つの興味深いこととして、酵素液化法が用いられた時はサツマイモのデンプンを用いていたそうだ。
※中村亦夫 デンプン危機を救った酵素ブドウ糖 - 生産研究 第14巻 第7号
ブドウ糖の製造は思った以上にバイオテクノロジーだった。
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