いつも観測しているレンゲ米の水田だけれども、今年はナバナが田一面を占め、一斉に開花した。
開花したということは、
当然、実を付けてタネを落とす。
ナズナは自家受粉だったので、花粉の持ち出し量はほぼないはずで、タネに微量要素やリン酸がパックされた状態になる。
タネはほぼ重力散布であったはずなので、そのままの場所にタネを落とし、タネとしての養分持ち出し量は気にしなくて良いはず。
なんてことを考えていたらふと気になったことがある。
田の夏の灌水時にどれ程のタネが死滅するのだろう?
気になったので検索をしてみたら、青木政晴等 夏期湛水条件がヒメアマナズナ クジラグサ グンバイナズナ種子の生存に及ぼす影響 - 雑草研究 Vol.57(3) 109~115(2012)に辿り着いた。
外来の話題ではあるが、アブラナ科の草の埋没種子は夏期灌水で大半が死滅するようだ。
おそらく、目の前に咲いているナズナも夏期の稲作時に大半が死滅するはずだけれども、
今年は稲作時の灌水で死滅したのか?と思う程の発芽を見せた。
もしかして、中干し無しの稲作がナズナのタネの生存に何らかの影響を与えたのか?
例えば、中干し無しであれば埋没種子に酸素がなかなか行き渡らないので、休眠から覚醒しなかったとか?
もしくは灌水時は温度が一定になりやすいので、それが刺激にならなかったとか?
今年最大の出来事は物理性の改善 + レンゲ + 中干しなしの稲作によるインパクトを感じたこと
話は戻って、稲作の中後期にナズナの埋没種子の大半が死滅するなら、成長に必要な時期にリン酸や微量要素をイネに供給できるようになるので有り難い。