前回のナチュラルチーズとは何だろう?の記事で
牛乳をpH処理 → レンネット等凝固 → 熟成で加工したものをナチュラルチーズとして扱うという内容を記載した。
普段、店で見かけるチーズというのはプロセスチーズが多く、
プロセスチーズというのは
ナチュラルチーズ(主にチェダーチーズ:上の写真)を原料として、溶解して再加工したものを指すらしい。
ナチュラルチーズへの製造で凝固の鍵となるのが、
乳中の乳タンパクであるカゼインがレンネットという酵素で切断され、
疎水性のカゼインが出来、
そのカゼインがカルシウムと架橋を形成して沈殿する。
プロセスチーズというのは、
ナチュラルチーズを粉砕した後、クエン酸ナトリウムといった溶解塩を添加しつつ加熱すると、
疎水性カゼイン単体で乳化出来るようになり再び凝固作用を利用してチーズ状に加工する。
この時、ナチュラルチーズの特徴である疎水性のカゼインとカルシウムの結合を添加した溶解塩が切ってしまうと考えられている。
となると、
溶解塩以外何も添加していないプロセスチーズとナチュラルチーズの栄養をまとめると、
クエン酸ナトリウム等の塩が追加されていて、
カゼインと結合していないカルシウムの量も増える。
※遊離したカルシウムが再凝固の際にどれくらい取り込まれるのか?は今まで読んできた本では不明
ここからは単純に個人的な疑問なのだけれども、
歯の形成の先に乳があるの記事で、
カゼインは歯にカルシウムを供給して石灰化を促すという説があることを紹介した。
プロセスチーズは溶解塩によりカゼインとカルシウムの架橋を切断し、
カゼイン自体が乳化剤として乳脂肪を取り込み凝固するのであれば、
プロセスチーズを摂取した際のカルシウムの利用率は低下するのではないか?と
ここらへんを知るには、
今まで全く触れてこなかった酵素による歯や骨の形成についての仕組みを知る必要がある。
食の知の探索は始まったばかり。