以前、四国徳島の吉野川付近に緑色の石が多くて、これは三波川変成帯という地質によるものだと記載した。
この時はまだ三波川帯というものがわかっていなくて、
海のプレートが大陸のプレートの下を潜るように沈み込みをした際に、プレートの間にある高圧の環境で変成を受けた後、地殻変動によって隆起したという内容を記載したけれども、吉野川よりも南側の地域を見ないで、吉野川付近だけが変成して隆起したように見える。
実際はそうではないことを、
この模型から学んだ。
NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン 激動の日本列島 誕生の物語 | 宝島CHANNEL 32ページより引用
日本列島がまだユーラシア大陸の端にあった頃に、海のプレートに載ってやってきた玄武岩質的な岩体がやってきた。
この岩体が海のプレートが沈み込む時に一緒に潜り込み、高圧の変成作用を受け、緑色岩に変成した。
そして隆起(三波川帯)!
その後、海のプレートに載ってやってきた石灰岩のような生物由来の岩体がやってきて付加体として隆起(秩父帯)!
何度か海のプレートが大陸のプレートにぶつかることにより、海のプレートの力によって大陸の端が盛り上がって山になる。
この山の岩が削られて、海のプレート側に砂や泥(粘土)としてプレートの間の隙間に堆積して隆起(四万十帯)!
NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン 激動の日本列島 誕生の物語 | 宝島CHANNEL 32ページより引用
その後、大陸から日本列島が分かれる。
という流れとなる。
大陸の端といえど、北から南まで相当の距離があり、大陸から離れた後の日本で、関東から九州へと横断する三波川帯(と他の帯)があることになる。
(株式会社誠文堂新光社 / 年代で見る 日本の地質と地形 11ページより引用)
三波川帯は上の地図で見ると、MTLと書かれた線のちょうど下の濃い緑の領域を指し、この辺りは玄武岩質的な変成岩である緑色岩が多いことになる。
徳島のネギの栽培者向けに施肥設計の話をしましたで徳島に行った時、
土壌図ではいまいちな土質のはずなのに、ここの地域では作物が育てやすいんだ
と言われていたのが四国特有の天候によるものだろうと思っていたけれども、
玄武岩質的な変成岩であれば、栽培で欲しい粘土鉱物をほか地域より豊富に含んでいる可能性があるわけで、その影響は大きそうだ。
今まで地質図で付加体と記載されていた箇所はブラックボックスだったけど、地体構造と合わせれば、幾分ブラックボックス状態は解消される。