森の木の根元に落ち葉が蓄積している。
落ち葉の下には越冬する虫たちがいて、地面はとても暖かそうだ。
そんな中、ふと以前、とある栽培の勉強会で講師の方の意見を思い出した。
ある人が講師に向かってこう質問した。
畑に落ち葉を入れてるのですが、どんないいことがありますか?と
その質問に対して講師の方はこう言った。
落ち葉を入れるなんて無意味です。
落ち葉は落ちた時点でいろんな微生物らが養分を取ってしまい、養分スカスカの有機物を労力をかけて投入しているだけです。
???
この時、すごい違和感を感じた。
今回の講師は有名な大学を出た方で、たくさんの栽培の本を執筆していて、かなり有名。
だけど、実際に営農はしたことがないっぽい。
私の意見でも落ち葉を投入するのは有効ではないと思うけど、理由はあくまで、有機物量が労力の割に少ないだけで、落ち葉を入れることは無意味だとは思っていない。
だって、土作りに養分の投入を加味することはないだろう?
落ち葉を敷いたところは確実に温度が上がっている。
これは落ち葉の間に出来る空気の層が保温効果を発揮するためで、土壌が暖かい時間を長くしている。
だから落ち葉の下で虫は越冬する。
土と混ぜても間隙(空気の層)が増えるから、覆うほどの効果はないかもしれないけれども、何も入れないよりかはマシである。
微生物の培養をしたことがある人がいるなら感覚でわかる話で、1℃違うだけで微生物の活性は大きく変わる。
つまり、保温効果を発揮しているだけで、冬場の寒い時期でも土壌の微生物の活性は向上する。
微生物の活性≒PEONの増加につながるため、落ち葉+活性する資材の何かを組み合わせるだけで、団粒構造を形成する可能性は格段に向上する。
(当時はPEONなんて言葉は知らなかったけどね)
そんな難しいことは考えなくとも、根の周りの温度が一度上がるだけで、植物の生理的な機能は向上するだろ。
土作りは根圏の生物相を豊にするという思想であるならば、著名な方が養分がない≒意味がないと言ってはいけないだろう。
なんてことをあの時は思っていたなと思いだした。