前回の植物が利用しやすいシリカはどこにある?の記事で

海洋性の珪藻は河川から流れてくる鉱物由来のケイ酸を利用している

という内容を記載した。


この記事で紹介した

地球上のケイ素の循環と生物の関わり - バイオミディア 2015年 第2号を読み進めると、

/**************************************************************************/

植物の根より単離されたStreptomyces属細菌の代謝産物解析の過程で,通常鉄の取込みに関わるシデロフォアが,FeではなくSiと錯体を形成していることを発見した。(途中省略)本菌の培養液より単離されたカテコール型シデロフォアであるエンテロバクチン(別名エンテロケリン)は,通常Feに配位する3つのカテコール部位がSiに対して安定に配位していることが確認された。

/**************************************************************************/

※上記のリンク先のドキュメントの95ページより抜粋

と記載されていた。


抜粋した文中にある植物は何なのか?を引用元の論文を辿ってみると、

どうやらPiper guinensisというコショウ科の植物だった。




シデロフォアという名称は土壌関連の本を読むと時々目にするもので、

微生物や一部の植物が土壌から鉄を獲得して運搬するために活用する化合物で、

鉄キレート剤である。

シデロボア - Wikipedia

重要だけど扱いにくいものでもある二価鉄


引用している論文の末尾に記載されているけれども、

鉄を獲得するためのシデロフォアでケイ素に安定的に配位するという発見は、

ケイ素と生物の関わりは,予想以上に深いのかもしれないことを期待する。


今回の内容がすぐにどこかに繋がるというわけではないけれども、

シデロフォアとケイ素というキーワードは何らかの突破口になるかもしれないので、

頭の片隅に入れておくことにしよう。