日本にいながら大陸の赤い土を把握するという話から、昨年末に夜久野の玄武岩を見に行った。
大陸の赤い土の話の下りは下記の記事に記載されている。
玄武岩というのは火山の噴火の際に押し出された溶岩が固まった火成岩で、玄武岩があるということは周辺に火口が必ずある。
スコリアという多孔質の塊でも記載されている通り、火口は少し離れた位置にあり、夜久野にあった火山の名前は宝山(田倉山)という。
というわけで昨日、宝山に行ってきた。
3ヶ月の間、本を読んだり、気象庁の火山関連の仕事をしている方に火山のことを教わったりと知識武装をした上で…
宝山に行ったことの記事を書く前に玄武岩を形成する火山の事を少々書いておく。
玄武岩というのは、二酸化ケイ素(SiO2)の含有量が少なめの塩基性岩という区分にある。
二酸化ケイ素というのは無色鉱物のため色は透明か白で玄武岩は無色鉱物が少ないという事で鉄やマグネシウムが多めの岩となる。
鉄が多いということで、鉄は酸化する(錆びる)と赤味を帯びるため、玄武岩が風化しても赤茶色の色になる。
二酸化ケイ素が少ないという事で岩石形成前の溶岩にも特徴があり、マグマは粘性が少なく、噴火した際の溶岩は横に流れていくイメージとなる。
(写真:ストロンボリ式噴火 - Wikipediaより引用)
このような噴火形態をストロンボリ式噴火と呼ぶ。
というわけで、玄武岩を形成する火山は横広がりの山となる。
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(写真:スコリア丘 - Wikipediaより引用)
このような山のことをスコリア丘と呼ぶ。
スコリアというのは前に触れた火山噴出物の一種ね。
これらの話を踏まえた上で夜久野高原の宝山の話に戻る。
宝山のことを京都府のサイトで確認すると、兵庫県との境界に府内では唯一の火山と呼べる大変貴重な地形がある。
これは宝山または田倉山と呼ばれ、標高350mの円錐形の火山体を形成している。 山体は約38~30数万年前に噴出したと考えられるスコリアからできた火砕丘で、南側に侵食による谷が開いている。推定される火口は山頂から少し南西方向に入った杉林(兵庫県朝来市和田山町白井)にある。京都側の麓に形成されている溶岩台地(夜久野高原)は玄武岩で形成されている。ここでは現在、特産のクリ、ブドウ、スイカの栽培が盛んである。
と記載されている。
宝山はスコリア丘であることが間違いないとわかった。
ここが山への入り口。
ここらへんの土の色を見てみると、
以前紹介した黒ボクとそっくりな土質だった。
玄武岩質火山灰由来の土だから当たり前といっちゃ当たり前。
あとは形成の際の気候条件のみだからな。
山頂、河口付近に近づくにつれ、壁面の色が変わってくる。
茶色の中に赤っぽい色の箇所がある。
近づいて見てみると、
真っ赤な土だった。
やはり玄武岩的質な岩を母岩としたところの土は赤くなるということがわかった。
小石は多孔質のものが多いため、これはスコリアなのだろうなと判断。
更に登る。
ストロンボリ式噴火の火口は少しくぼんだところにあるということで、山頂を目指さず一旦下ってみたところに、
火口跡地(推定位置)があった。
これだけだとよくわからないな。
最後に
再び登り山頂経由で帰った。