昨日のニュースで、南米付近の海域の海水温が平年よりも低いラニーニャ現象が観測され、今年から来年の春までの日本は積雪が多く寒くなるという予想が発表されていた。
地球が温暖化すると、日本では夏の猛暑日が増え、台風も増えると言われているが、合わせて冬の冷え込みが厳しくなるという話題も頻繁に見かける。
温暖化したら暖冬になるのでは?と思いたくなるけれども、気候の変動が極端になるため、冬の寒さは更に増すという考えになるらしい。
南米の海域の海水温が冷えると、西側にあるインドネシア辺りの海域との差分で強い東風が発生し、赤道付近の高圧帯の勢力が増す。
それに対応するように日本の北西の寒気を含んだ高気圧が発達する為、日本の寒さが厳しくなるらしい。
温暖化によって日本の寒さが厳しくなるのは、温暖化によって赤道付近の海水温が上昇し、南米の海域の海水温との差分が大きくなることに因る解釈で良いか?
赤道付近の海水温が上昇していなければ、ラニーニャ現象が発生していても、赤道と南米の海水温の差分が小さいので、赤道付近の高圧帯の勢力が強まらず、日本の北西の高気圧の発達具合も抑えられ、寒さの影響も小さくなるという解釈で良いか?
どちらにしろ、今年から来年にかけての冬の寒さは厳しいという予想なので、
畑作では平年以上の寒さ対策をしておいた方が良さそうだ。
栽培者に出来る事は作物自身の耐寒性を高めるという事が真先に思い付くが、それ以上に大事なのは地温の上昇という手がある。
地温の上昇によって根付近の温度が高まり、植物が寒さに強くなっていたという事を時々見かける。
冬にフカフカな土に指を突っ込むと、心地よい暖かさを感じる事ができ、この環境に根が張っていたら、とても素晴らしい事だと容易に想像できる。
地温を高める為の一番の手段は、
作付け前に廃菌床のような堆肥で物理性を改善させつつ、
米ぬかのようなカロリー豊富な有機質の肥料を仕込み、
できれば緑肥のような草で土壌の至るところに根が生えている状態にしておく。
そうすれば、土壌の微生物による米ぬかの発酵熱や根の代謝熱によって土が暖まる。
後は対処療法になるけれども、土表面を少々削りながら鋤き込む中耕という手段で米ぬかを混ぜ込むという手もあるけれども、窒素飢餓の恐れがあるため、
米ぬか嫌気ボカシ肥のような発酵がある程度進んでいて、土に直接鋤き込んでも窒素飢餓を起こさないような有機質の資材が望ましい。
米ぬか嫌気ボカシ肥のような使い勝手の良い有機質の肥料が簡単に購入できれば良いのだけれども、この手の肥料はなかなか売っていないので、これからの異常気象に対して、この手の肥料の販売が増えれば収量を落とさないで良くなるかもしれない。
補足
有機質の肥料であれば牛糞等の家畜糞もあるのでは?という事が頭に浮かぶけれども、栄養塩とリン酸が多いという点で取り扱いは注意する必要がある。
リン酸が多いと土壌の菌との関係で植物側の耐寒性が低下する恐れがある。
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