学生の頃に抗体こと免疫グロブリンのことを知り不思議に思った。
体内に侵入してきたウィルス等を自然免疫が退治し、その断片を何らかの細胞が記憶し、次回同じ種類のウィルスが体内に侵入してきた時に速やかに抗体を合成し侵入者を速やかに排除する。
この機構を獲得免疫と呼ぶらしいが、細胞が侵入者の一部を記憶出来るということが不思議でしょうがなかった?
何故不思議だと思ったかといえば、抗体はDNAのみの情報から出来ると思い込んでいたので、記憶というのはDNAの書き換えを行っているのか?そんな簡単にDNAを書き換えることが出来るのか?なんてことを疑問に思っていた。
記憶に関してはどうやら他の仕組みであるらしいが、これ以上は今は触れない事にする。
それよりも、前回の免疫を高める為に出来ることは何だろう?の続きの方が自分にとって急務だろう。
抗体の合成において、何が重要であるか?逆にいえば何が不足してはいけないのか?は絶対に知っておくべきだろう。
ということで調べてみた。
離乳仔マウスと泌乳マウスのIgA産生に及ぼすペプチド亜鉛の影響 Trace Nutrients Research 33: 59-62(2016)という論文に辿り着いた。
どうやらこの論文を読むと、マウスの体内で抗体の一種であるIgAの産生にはβ-カロテンや亜鉛が重要な役割を持っているらしく、牛においても亜鉛に限らず銅やマンガンも重要な役割を果たすらしい。
どちらの乳での話で人の知見ではないけれども、人の各種抗体でも同様の事が言えるとして、抗体の産生に重要なものの一つにβ-カロテンがありそうだ。
β-カロテンことカロテノイドは光合成に重要な色素の一つで、ビタミンAの前駆体だ。
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種で、
野菜の美味しさとは何だろう?カロテノイドの記事でトウモロコシを多く摂取している鶏の肉の脂の個所に蓄積している事に触れた。
ビタミンAは色鮮やかな野菜を摂取していればおそらく大丈夫で、それよりも先日の記事で触れた通り、慢性的な欠乏になりやすい亜鉛あたりが免疫向上にとって重要な要素になりそうだ。
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