(玄武洞ミュージアムで撮影)
不明 - https://web.archive.org/web/20061216040853/http://resourcescommittee.house.gov/subcommittees/emr/usgsweb/photogallery/ ; English Wikipedia, original upload 3 August 2004 by Chris 73, パブリック・ドメイン, リンクによる
土について学んでいると時々蛇紋石という名称を見かけることがある。
施肥設計を確認してほしいという連絡があった時、ごくたまに蛇紋岩帯に位置する畑に遭遇する時がある。
蛇紋岩帯に位置する畑の土壌分析は独特な値を示すことが多いので、理解を深めたいという気持ちは常々あった。
というわけで改めて蛇紋石について見ていくことにする。
※図:3つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち|講談社BOOK倶楽部 128ページより引用
蛇紋石は造岩鉱物のかんらん石等が水による変成作用によって生成されるそうだ。
反応式は
2Mg2SiO4 + 3H2O→Mg3Si2O5(OH)4+Mg(OH)2
等があり、かんらん石が水と反応することで、蛇紋石と水酸化マグネシウム(水滑石)が生成されるそうだ。
※熱水中に溶けているシリカと反応する経路もある。
※図:上原誠一郎 粘土鉱物基礎講座Ⅰ 粘土の構造と化学組成 - 粘土科学 第40巻 第2号 100-111 104ページより引用
蛇紋石は1:1型粘土鉱物に記載されていて、化学組成にアルミニウムが無いのになんで?と理解し難い状態が続いていた。
実際の栽培で時々蛇紋石の話題が挙がるならば、農学の必須科目として地学(特に鉱物学お)の位置付けを上げるべきだろうと思ってしまう。
自身の気持ちは置いといて、話を進めることにする。
冒頭のかんらん石が水による変成を受けて、蛇紋石になったとして、かんらん石のようにケイ酸がモノケイ酸として配置している鉱物が1:1型粘土鉱物のようになるのは想像ができない。
そこで検索をしてみたところ、愛媛大学の研究で蛇紋石の一種であるアンチゴライト (Mg,Fe)3Si2O5(OH)4の結晶構造に関する記載があったので読んでみると、
図:沈み込み帯における含水鉱物の脱水現象に新知見 | プレスリリース | 愛媛大学より引用
Mg八面体とSi四面体が層状に重なっている構造の表記があった。
図の上部の層状を横から見た図はMg八面体の層の下はおそらくSi四面体になるはずで、これであれば蛇紋石が1:1粘土鉱物のような構造であることがしっくりとくる。
この内容の理解を深めるには、他のケイ酸塩鉱物について見ていく必要がありそうで、今回はここまでにしておく。