造岩鉱物のかんらん石が風化するとどうなるか?に引き続き、造岩鉱物について見ていくことにする。
(株式会社誠文堂新光社 日本の石ころ標本箱 201ページの図を参考にして作成)
前回が上の表の右下のかんらん石だったので、次はその上の
Andrew Silver - http://libraryphoto.cr.usgs.gov/cgi-bin/show_picture.cgi?ID=ID.%20BYU%20Mineral%20Specimens%20492, パブリック・ドメイン, リンクによる
※写真は頑火輝石
輝石について見ていく。
輝石の化学組成は上の写真の頑火輝石であればMg2Si2O6で
※図:3つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち|講談社BOOK倶楽部 133ページより引用
のようにケイ酸が一次元の直鎖状に並んだ単差型の形をしていて、その隙間に1〜3価の金属(Na、MgやFe等)が配置している。
前回見たかんらん石との違いはケイ酸が重合しているため、かんらん石よりはケイ酸が安定していて風化しにくいということになるだろう。
ただ、この形であれば、金属が配置している面(?)は常に外側を向いているので、金属の溶脱が発生しやすそうに見えるがどうなのだろう?
造岩鉱物の理解は他の鉱物を見ていくことで深まると思うので、今回はここまでにしておく。
追記
ケイ酸塩鉱物ではケイ酸の重合が進んだ構造を持つほど、風化の速度は遅くなるそうだ。
鉱物の風化速度と結晶構造の関係 - 金沢大学 地球学コース・地球環境学コース