河出書房新社から出版された昆虫は最強の生物である 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略


上記の本の文中で印象に残った話がある。

人を含む大半の動物では、食べ物を食べる時、口から入れて上下運動の咀嚼と舌の運動で食べ物を移動することしか出来ない。

それと比較して、



昆虫というのは頭部にある上顎と下顎が種毎に高度に発達していて、蝶や蚊のようにストローで何かを吸ったり、バッタのように牙のような顎で横方向に砕きつつ、縦方向でも咀嚼出来るといった複雑な動きをすることができる。

というニュアンスの内容が記載されていた。


この文章であれば、ふ〜ん、なるほど程度の感想になるけれども、

後日、ある図を見てから上記の文章の印象が大きく変わった。




※東海大学出版部 教養のための昆虫学 8ページより引用

体節制の進化(推定) (作図:木村政司、原典:Snodgrass, 1935)


上の図は脚が沢山あるワラジムシのような節足動物から六脚の昆虫へ進化した過程の推定を示したもので、

多脚だった昆虫が六脚になる際に各節がまとまっていく様が記載されている。


注目すべき個所は多岐にわたるけれども、

今回の本題に合わせて頭部に注目すると、

図のFの頭部は脚があった四節程が合わさって頭部を形成している。



四節分の脚の一部はバッタでいうところの小顎髭になっていたりする。

蝶のストローは上唇で口吻(こうふん、外葉)と呼ばれるが、上唇も一つの節から形成され、おそらく脚が口吻に変化したのだろう。


極端で雑なイメージになるけれども、

人の口に手があって、その手が長い進化の過程で食べ物を摂取する為の便利な器官へと変化した

ということになる。


これが昆虫の強さの一つなのだろうなと。