曽爾高原のススキを見ていて、
栽培に関与する者であれば不思議に思うことがある。
ススキの需要が減って一時期はスギの山になったことがあるらしいけれども、スギの期間を除いたとしても、古典のレベルの時代からずっとススキを育てていた。
ススキの連作障害問題に困ったことはないのか?
ということ
連作障害といえば養分に依るものと特定の病原性微生物が増加するものに依るものがあるけれども、古典の時代からの連作であればどちらの問題も発生していたはずだ。
とりあえず前者の方の養分の方だけれども、
春の山焼きでススキを燃やした灰を肥料として育てると案内所のVTRで紹介していたが、
スギ林以前のススキは家材として利用していたから養分の持ち出しになる。
それに対して、
40ha近くある面積に肥料を与えるのは酷でおそらく肥料は与えていない。
ススキはエンドファイトによる窒素固定ができるはずだから、
窒素固定に関与する金属が土壌中にあれば窒素分の問題はない。
ススキと栽培に関して興味深い話があるが、それは下記の記事を読んでもらうことにしてここでは触れない。
ススキといえばイネ科ススキ属の多年生の単子葉植物であるので、
おそらく骨格としてケイ酸が重要になるだろう。
他に重要な要素としてカリウムがあるが、
流紋岩質の溶結凝灰岩や花崗岩といった粘性の高い火成岩と
急な勾配によって風化しては中心に向かう構造によって、これらの養分は心配ないように思う。
※粘性の高い岩石程、カリやケイ素の含有量は増す
微量要素もカリウムと同様に入手できるとして、
あとは大量に必要なものとしてのリン酸だろうか?
緑色の葉のススキをまじまじと見ると、
葉の色が紫のものがやたらと目立ったけれども、
曽爾高原以外のススキでどうなっているかの知見が無いため比較検討できない。
0が2つ多いぐらいの年数の連作(もしかしたら0が3つぐらいかもしれないけれども)を行ってきた歴史のある曽爾高原のススキ草原。
思っている以上に重要な知見の宝庫かもしれない。
そんなことを思えてしまうぐらいのススキの成長であった。