有機態リン酸の過剰蓄積についてを考えるの記事で有機態リン酸の形状、過剰蓄積の場合の栽培上の問題を整理して記載した。



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有機態リン酸ことフィチン酸が土壌に過剰に蓄積すると、植物は微量要素の吸収が阻害され弱体化する可能性があるにも関わらず、


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既存の土壌分析の方法ではフィチン酸は測定の対象外になっていて、可視化されないという問題がある。


なぜ、土壌分析でフィチン酸を測定しないのだろう?

もしかして測定が難しいのか?

それともただ単に認識のアップデートをしていないので、測定するという発想がないのか?

それらを確認するためにフィチン酸の測定についてを調べてみることにした。




日本食品分析センターのサイトにフィチン酸の測定についての記載があった。

78 フィチン酸について(2008年8月) | (一財)日本食品分析センター


フィチン酸の測定方法は吸光光度法やイオンクロマトグラフィーで測定するそうだ。

前者の吸光光度法はどこかで聞いた事があると思ったら、原子吸光光度法を用いてマグネシウムを測定するの記事で見たマグネシウムの測定方法とほぼ同じだ。


ほぼ同じと書いたのは、マグネシウムの時は物質を加熱して得られた原子に光を照射して、今回のフィチン酸ではフィチン酸鉄として沈殿させたものに光を照射するという違いがある。


この2つの測定方法にどれ程の違いがあるのか?はわからないが、確実にわかったとして、フィチン酸の測定方法自体は確立されているということだ。

土壌中のフィチン酸は土壌の含有アルミナ鉱物によって強い結合をしているので、測定の際にこの結合を切っておく必要があるだろうけれども、結合の切断はそんなに難しくないはず。