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果実が熟すとな何か?の記事で成熟、追熟とクリマクテリック果実という用語について触れた。

成熟はどの果実にもあって、追熟は果実の種類によって発現したりしなかったりということだったが、そうなると、


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萩の武士とナツミカン


主にナツミカンの果実の長時間にかけた減酸は追熟に該当しないのか?という疑問が生じた。

この疑問を解消する為には、もっと細かい視点で果実が熟すという事を知る必要があり、この観点で検索をしてみたら、果実が熟す事に関して事細かに記載してある文章があったので、今回はその内容に触れる。




立木美保著 エチレンによる果実の成熟・老化制御機構 - 果樹研報 Bull.Natl.Inst.Fruit Tree Sci.6: 11~22,2007に拠ると、果実が熟すのはエチレンという植物ホルモンに依存していて、果実の呼吸量の増加に伴いエチレンの合成量も増加し、エチレンによって成熟が加速されると記載してある。


呼吸量の増加に関しては、クリマクテリック型の果実でよく見聞きするが、ノンクリマクテリック型の果実でも同様の反応の可能性があるとされている。


Ethene_structural

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果実内でのエチレンの働きは、

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クロロフィル分解酵素、カロテノイド合成酵素等の色素合成に関わる酵素、果肉軟化を引き起こす細胞壁修飾酵素の遺伝子発現を誘導し活性化させる

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と記載されている。


要約すると、果実が熟すということは

・果実の緑色を脱色

・果実に他の色で色付けをする

・果肉の軟化

の反応があり、果肉の軟化の際に、糖、タンパクや脂肪が分解されて香り成分が生成されるのだろう。

香り化合物の合成経路から見えてくること

黄色い色素のフラボノイド

パンの美味しそうな見た目と香り


色素のフラボノイドはアミノ酸から合成されるので、果実が熟す過程で果実内にアミノ酸がしっかりと蓄積されていないと果皮の色付きは鮮やかにならないのだろうな。


果実をよく観察していたら当たり前の事だけれども、文字として残しておくと整理されて、何か思い付くかもと思ってしまう。