ミカンの甘味は核酸施肥で増強できるか?の続きまでの記事で、カンキツの養分転流についてを見ていた。
養分転流について考えていた時に、カンキツを含む果実が熟すというのは一体何なのか?という根本的な疑問が頭に浮かんだ。
果実が熟すという現象に対して、成熟と追熟という用語がある。
ここらへんの用語は先日の記事で紹介した成熟と追熟 - 大阪教育大学 - Laboratory of Food Sciencesを見て思い出した。
成熟というのは、果実が樹についている時(着生)に熟す課程を指し、追熟は樹から切り離された後も熟す過程が続いている現象を追熟という。
他に熟す事に関して、クリマクテリック果実という用語があり、各々の果実はクリマクテリック型とそうでないノンクリマクテリック型に分けられる。
クリマクテリック型というのは、果実の成熟に伴い呼吸量が増加する果実を指すそうで、主にリンゴ等のバラ科の果実が該当する。
一方、ノンクリマクテリック型の呼吸量の増加が見られないものにカンキツやブドウがあるらしい。
呼吸量が増加すると軟化の進行、糖、酸および香りに変化が現れる。
クリマクテリック型で追熟という現象が見られるそうだ。
この話題でふと頭に浮かんだのが
ナツミカンの減酸だけれども、ナツミカンはカンキツになるわけでノンクリマクテリック型に分類されるわけで、呼吸量の増加が見られなくても果実内の酸が変化している。
この酸の変化は追熟の現象であるはずなので、クリマクテリック果実について見ていけば、カンキツの食味の向上につながる何か?にたどり着くかもしれない。
長くなりそうなので、今回の話はここで終了しておく。