造岩鉱物の長石が風化するとどうなるか?までの記事で岩石を構成する様々な造岩鉱物について見てきた。

今までの内容を基にして、栽培上、最も重要であると思われる


Allophane-277529

Modris Baum - http://www.mindat.org/photo-277529.html, パブリック・ドメイン, リンクによる


アロフェンについて触れることにしよう。


なぜ、アロフェンが重要かと言うと、土壌の名称でアロフェン質黒ボク土というものがあり、名称に入っている鉱物はアロフェンぐらいだ。


アロフェン質黒ボク土と対になっているもので、非アロフェン質黒ボク土があるが、


P4194098


改めて同型置換について見るあたりの記事で見ている2:1型粘土鉱物のモンモリロナイトや2:1:1型粘土鉱物の緑泥石のことなので既に触れている。

黒ボク土は本当に良い土なのか?




JA全農 肥料農薬部 施肥診断技術者ハンドブック 2003の32ページの内容に拠ると、アロフェンは非晶質の粘土鉱物に分類され、塊(中空球)状の形を形態をしているそうだ。


イメージとしては、


nendo_type

(農文協 作物はなぜ有機物・難溶解性成分を吸収できるのか 135ページを参考にして作成)


上の図の左側のような形態になるそうだ。

ちなみに右側は今まで触れてきた2:1型粘土鉱物の形態である板〜薄板状に当たる。


最近触れてきたケイ酸の知識からだと、アロフェンのような中空の粒子になることをイメージすることは難しい。


どのような構造なのだろう?と検索を続けてみたら、大学教授の方の個人サイトにわかりやすい説明があったので記載しておく。

そのページというのが、土壌化学4(補足プリント) アロフェンについてでアロフェンの構造が手書きで書かれている。


上記ページの内容に従って、アロフェンの構造を書くと


allophane_structure


こんな感じになるらしい。

1:1型鉱物で見られたAl八面体シートとSi四面体シートの組み合わせ(図の左)が球状に重なり合った形(図の右)がアロフェンの構造となる。

シートが重なり合った箇所に小さな隙間ができている。


この隙間についても見ておきたいところだが、上のイラストを作成することに疲れたので、今回はここまでにしておく。