Modris Baum - http://www.mindat.org/photo-277529.html, パブリック・ドメイン, リンクによる
栽培上重要なアロフェンという名の粘土鉱物の記事で、アロフェンについて記載されているPDFを基にアロフェンのケイ酸の構造を見た。
今まで見てきた1:1型粘土鉱物の構造を基にして、塊状(球状)になるようにSi四面体とAl八面体が配置されるようになるそうだ。
このイラストを作成していて、学生の頃にアロフェンの特徴として覚えた内容の理解が少し進んだ。
その内容というのが、
陰イオン交換容量AECの記事で触れた上の図だ。
この図はアロフェン由来の土壌で見られるもので、球体の外側ではAlが配置していて、このAlによって正の電荷が生じる。
一方、内側ではSiが配置していて、Siによって負の電荷が生じる。
※-SiOH → -SiO- + H+(負電荷)
※-AlOH + H+ → -AlOH2+(正電荷)
※上記を変異電荷と呼ぶ。対義語として同型置換の永久電荷がある
なぜ、アロフェンだけこのようなことが起こるのか?と疑問だったが、先日のイラストにより、Alが外側でSiが内側になることに合点がいった。
土壌化学4(補足プリント) アロフェンについてでアロフェンの塊状の構造で
(農文協 作物はなぜ有機物・難溶解性成分を吸収できるのか 135ページを参考にして作成)
の図の左側のようにアロフェンには隙間があるそうで、Broken-bond defectsという表記がある。
Broken-bond defectsについて調べてみると、アロフェンは構造が複雑で、Si-O結合が不規則に切断されているそうだ。
どうやらこのSi-O結合の不規則な切断が保肥力のCECに繋がるらしく、アロフェンが八面体と四面体が1:1の構造をしているのに、CECが高くなるようだ。
※アロフェンのCECは30〜200、比較としてバーミキュライトのCECは100〜150
アロフェンだけれども、火山ガラスから風化して生成されると書かれていることが多いが、
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長石が1:1型粘土鉱物のカオリナイトに風化する際にアロフェンを経由することがあるそうで、自身の今の知識レベルでは長石の構造からアロフェンに変成する流れがイメージできない。
ここらへんがイメージできるようになったら、土に理解はより進むのだろうな。