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造岩鉱物の長石を見るの記事で、造岩鉱物の一種である長石の結晶構造について触れた。
肥料関係で把握しておきたいこととして風化があるので、今回は長石の風化について見ていく。
長石の風化に関しては可溶性ケイ酸にあるかもしれない底力で触れたが、今回は改めて触れることにする。
冒頭の写真のカリ長石(微斜長石)の化学組成はKAlSi3O8になっている。
カリ長石が水と二酸化炭素と反応することで、
2KAlSi3O8 + 2H2O + CO2 → Al2Si2O5(OH)4 + K2CO3 + 4SiO2
となる。
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Al2Si2O5(OH)4は1:1型粘土鉱物に分類されるカオリナイトの一種である。
上記の反応では、カオリナイトの他に炭酸カリウム(K2CO3)と二酸化ケイ素(SiO2)が生成されている。
二酸化ケイ素といえば石英だけれども、長石がこんなにも透き通った鉱物に変質するのを想像するのが難しいので、下記URLに記載されている他の鉱物になるかもしれない。
今回はカリ長石が風化すると一気にカオリナイトになるように記載したが、塚本斉等 風化粘土の生成と変遷 - 応用地質29巻 3号 1988を読む限り、長石とカオリナイトの間にはいくつか他の粘土鉱物の名称が記載されている為、造岩鉱物と土壌についての関係の理解を深めるためには、これらの粘土鉱物についても見ていく必要があるのだろうなと。