前回の記事で棚倉構造線に訪れた内容を記載した。
棚倉構造線には棚倉西断層と東断層があり、
日本の長い断層が並行に並んでいる。
北方の棚倉町からこの地域に入り、
南に向かって移動していたわけだけれども、
諸事情により矢祭というちょうど真ん中あたりで西断層から更に西に向かうためにこの地域から抜けた。
ここからは事前に読んでいた本の内容になるけれども、
矢祭という地域よりも南側のことも記載されているので紹介する。
矢祭の少し上あたりの東舘(ひがしだて)の駅のちょうど南あたりで、
並行に走る日本の断層の間を斜めに走る断層があり、
その断層の上で阿武隈花崗岩の山を侵食してできた道があり、
ここから棚倉東断層に入り以後は東断層を走ることになる。
以後の道は矢祭までの西断層と同様、
東側に阿武隈花崗岩の山に沿って道路があることになる。
ここから先程紹介した本の内容を抜粋してみることにする。
※図:商品詳細 - 3D地形図で歩く日本の活断層 - 創元社の38ページより引用
この地図は棚倉の2つの断層付近にある温泉の分布で、
Aの滝の沢温泉が西断層にあり、
他のB〜Dは東断層にある。
面白いことに
Aの温泉は弱アルカリ性の温泉なのだけれども、
東断層にある温泉はどれもphが10付近の強アルカリの珍しい温泉らしい。
強アルカリ(高アルカリ)の温泉に関しては前に
弱アルカリであれば地中の炭酸塩の影響によるものだけれども、
強アルカリは粘土鉱物に依るものではないか?
という仮説を紹介した。
棚倉の2つの断層と谷は、
大きな破砕帯(岩石が粘土化したエリア)に侵食作用で形成されたもの。
東舘あたりに2つの断層の間に阿武隈花崗岩帯が入り込むように分布し、
断層の間の花崗岩帯にはたくさんの断層が形成されている。
そこから南に位置する東断層のとある個所に
強アルカリの温泉が分布している。
棚倉の断層でまた一つ地図で見るべきポイントというものがうっすらとわかってきた気がするよ。
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