町を歩いていると、そろそろ春の田植えの準備が目に付くようになる。
田植えの準備は色々あるが、重要なものに肥料の選定がある。
稲作の肥料、特に一発肥料は優秀で、余程の天候異常が無い限り及第点以上の収穫になるので、施肥設計をいじるべきではない。
ただ、水田からメタン発生を気にして乾田にすることは良い手なのだろうか?の記事でも触れた通り、水田から発生するメタンに対しての世間の目が厳しくなりつつある中で、メタンの抑制に対して何らかの手を打たなければならない。
良い手として、
不純物を含まない鉄器があって、その鉄器がサビて粉状になった鉄粉があれば理想なのだけれども、こんなに都合の良いものはおそらくない。
※理由は稲作で使い捨てカイロ由来の鉄剤の肥料があれば良いで記載している
無難な手として、時々話題に挙がる鋼鉄スラグというものがある。
鋼鉄スラグは名前に鉄が含まれているので、鉄粉の効果が期待出来るかもしれないが、pH調整用の肥料として話題に挙がることが多く、簡単なイメージで使用してはいけない肥料なのかもしれない。
なので、これから製鉄や鋼鉄スラグについて触れていくことにする。
※先に今まで触れてきた製鉄の話題の記事のリンクを載せておく
松岡明芳 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
鉄鋼スラグについてはロックウールと水耕栽培で触れたが改めて触れることにする。
鉄鋼スラグ協会が発行している鉄鋼スラグとは?の資料を参考にして話を進める。
上記資料に拠ると
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鉄鋼スラグは、鉄鉱石から鋼を作り出す還元・精錬段階で生まれるシリカ(SiO₂)などの鉄以外の成分が、石灰(CaO)と溶融・結合した副産物
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であると記載されている。
鉄鉱石から純粋な鉄を得る際、鉄鉱石に含まれるシリカやアルミナ等を取り除く必要があり、鉄鉱石と石灰岩を混ぜると、鉄と鉄以外の成分が分離しやすくなる。
石灰岩と鉄以外の成分が分離した方が鉄鋼スラグとなる。
この内容だけから判断すると、鉄鋼スラグには鉄が少なめで石灰(カルシウム)が多めで、水田でメタン抑制の為に用いるには役不足ではないか?と疑問が生じる。
ただ、詳細を見ないで判断すると色々と誤ってしまう可能性があるので、更に読み進めることにする。
とは言ったが、話が長くなるため、今回は一旦ここまでにしておく。