水田の基肥の代替としての鶏糞の続きの記事で稲作の基肥として用いる場合、熟成度合いは少ない方が良いのか?それともしっかりと熟成した方が良いのか?に関して、窒素成分の観点からだと、熟成度合いが少ない方が良さそうだという内容を記載した。
前回の記事の末尾で、鶏糞の熟成度合いで臭気の視点を加えたらどうだろう?という締めで終わった。
というわけで、今回は臭気について考えてみる。
以前、家畜糞の完熟で変化していく臭いの記事で家畜糞の熟成と臭気成分の変化について記載した。
家畜糞は牛糞鶏糞問わずとして、好気と嫌気のどちらでも臭気に硫化水素を挙げていた。
硫化水素といえば、硫酸リグニンは水稲の硫黄欠乏を解決できるか?までの記事で秋落ち(収穫前に収量が激減するような生理障害が発生する)の要因であり、発生源となる硫酸塩肥料を極力入れないようにすると言われている。
ただ、硫化水素の発生を抑える為に、硫酸塩肥料を使用を控えすぎた為に硫黄欠乏が発生する可能性がある成分でもある。
水田に硫酸塩が十分量あると仮定すると、鶏糞はしっかりと熟成したものの方が基肥に向いていることになる。
鶏糞の熟成度合いの判断は、大小どちらでも水田における重大な問題があるので難しい。