アカウキクサのアゾラの記事で、アカウキクサについて触れた。
アカウキクサはイネの初期生育の時期では緑らしいが、何らかの条件で赤くなるそうだ。
その条件というのが、秋の昼夜の温度差であるらしいが、今は7月上旬で他の条件により赤くなっている可能性がありそうだ。
真っ先に思い付くものが、リン酸欠乏か日射量の急激な増加だろうか。
前者のリン酸欠乏であれば、心当たりがある。
それは、米どころの福井県越前市の武生地区の稲作の記事で触れたが、アゾラの繁茂を見かけた地域は慢性的な鉄不足の可能性が高いこと。
稲作におけるリン酸の供給で真っ先に思い付くものが、Fe型リン酸で、田に水を張り還元状態にすることで、
FePO4 + 有機物 → Fe3(PO4)2
にして水に溶けやすくして、リン酸肥料としての肥効を発揮する。
稲作において、リン酸は発根を促進する要素として大事だ。
慢性的なリン酸欠乏に陥っている場合は、発根が促進されないわけで、硫化水素ガスや除草剤の影響を受けやすくなり枯死しやすくなる。
最近流行りの多収品種であれば、おそらくリン酸要求量が多いはずで、通常品種よりも多収品種の方がガスや除草剤の影響を受けやすくなる可能性は高いはず。
アゾラが繁茂した田では、頻繁に除草剤が使用される傾向にある。
アゾラ対策で散布した除草剤が、イネの品種によっては感受性がある(イネに除草剤が効いてしまう)といったこともありそうなので、アゾラが繁茂した田ではいろいろと注意していかなければならないのだろうな。