ヨトウ対策は植物ホルモンの視点からの記事を作成している際にふと思ったことがある。

非病原性の土壌微生物が活発になる環境に導けたとして、作物がそれらの微生物と共生すると葉において食害する虫が忌避するようになる。


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※赤い矢印はAの畑で虫対策をした場合の虫の移動を示す


すべての植物食の虫が忌避するわけではないだろうけれども、大半の虫は弱っている作物が植わっている畑に向かうことになるはず。

殺虫剤で問題を凌ぐことを主している栽培者の畑に更に食害性の昆虫が集まるということだ。

その畑では殺虫剤の使用量は増える、もしくは今までと同じ防除であれば被害が増え秀品率が減るはず。


一番最初に対策をした畑の成果を他の畑の栽培者(Cの畑)が真似る。

この畑は若干虫の被害が増え始めたところで動き始めたとする。


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虫の動きはこんな感じになる。

太い赤い線程、虫の移動量が多いことを示す。


BとDの畑が例年と比較してやたらと虫が多くなったなと感じ、防除回数を増やす。

殺菌剤は肥料代と比較すると高いので経費は増えるけれども秀品率が減るので利益率は大幅に下がる。


Bの畑がさすがにまずいと思い、Aの栽培を真似る。


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Dの畑が集中砲火を受け、売上に対して経費が圧迫して倒産する。

周辺の誰かがDの畑を獲得して栽培をはじめようと思うが、Dの手癖が悪いことに気が付いて、


enbaku0

エンバクのアレロパシー


Dの畑にはA〜Cの作付けに影響を与えない緑肥のタネをまいてこの地域での植物食性の虫の発生を均衡化させてから栽培を開始する。


この話が正しいとするならば、最初に対策した人はいち早く経費の軽減が出来るが、周辺の畑は一律経費が上がるか秀品率が下がる。

周辺の畑の方が経営的に体力があれば、状態から抜けることが出来るけれども、そうでなければ日に日に経費が圧迫していく。


その間でも最初の畑(A)は利益率を上げ続け、どこかの畑がドロップアウトした時に一番乗りで手を挙げることが出来る。

この話は他の産業ではよく見られる儲けのパターンで、栽培においても先見の目でこの勝ちパターンがあるのでは?

と思えてくる。


となると、

最初にやるべきことは何なのか?

それを押さえた人が全てを制す。


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