沖縄本島で入手できる有機物を考えるまでの記事で、沖縄本島における土作りについてを考えてみた。
土に有機物を定着させる為の粘土鉱物は(可能かどうかの有無は無しにして)北部の地質の玄武岩地帯と南部の土質のジャーガル周辺にあることがわかった。
有機物に関してはサトウキビの絞り粕が産業廃棄物としてたくさん出るけれども、成分的には望むものは少ないので、他の有機物を探す必要がある。
まぁ、沖縄なので植物の生育も早そうなので調達はなんとかなるでしょう。
次に気になることとして、
琉球石灰岩の影響を受けて、石灰が多くなっている問題だろうか。
石灰過剰は栽培上の様々な問題を引き起こすので、いち早く回避しておきたい。
石灰過剰と聞いて真っ先に連想するのが、マグネシウムとカリウムだろう。
この成分はどちらも海水に多く含まれているというイメージがある。
カリウムの方は肥料学を勉強した人であれば、波打ち際から採取できるから枯渇しにくい肥料という話題は読んだことがあるはず。
上記の話題から海水から塩化ナトリウムのみを除いた技術があれば良いなと思った。
今、世界規模の水不足問題に対して、海水から真水にして飲水の確保を行う研究開発は盛んであるはずなので、除去技術について調べてみることにした。
淡水は争いのタネになりやすいので海水から淡水を得る技術開発は急務であるはず。
早速検索をしてみたところ、主旨は異なるが、苑田晃成著 『掘らない資源』として海水から資源を回収する技術について - 電気透析法と逆浸透膜法とイオン選択吸着剤の組み合わせ - 日本マリンエンジニアリング学会誌 第50巻 第5号(2015)にたどり着いた。
上記の報告は海水から様々な資源を回収する方法が記載されている。
海水には塩化ナトリウム以外でマグネシウム(Mg)やカリウム(K)が含まれているが、カルシウム(石灰:Ca)も多く含まれている。
ただ、肥料におけるCa : Mg : Kが 5 : 2 : 1であり、海水の方のCa : Mg : Kが 1 : 2 : 1 であるので塩化ナトリウムのみ除く事ができれば良いバランスとなるはず。
ただ、塩化ナトリウムのみを都合よく除去できる方法は記載されていなかったので、海水からマグネシウムのみを抽出する方法を見ていく。
はじめに海水を逆浸透膜方式によって、淡水と海水の成分を濃縮したものに分ける。
濃縮したものに電気透析した後、水酸化ナトリウム(NaOH)を加えると、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を得る事ができる。
水酸化マグネシウムといえば、肥料でいうところの水マグだ。
後は、上記の方法のコストが気になるところ。
石灰過剰は土を硬くし発根に影響を与え、農薬の散布量を増やす要因なので、それらも含めたコスト計算が必要となってくる。