過ぎたるは猶及ばざるが如しに引き続き、


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ヤマケイ新書 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち | 山と溪谷社

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所/大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち


この本からの話題。


減反政策の一つとして、水田で米の栽培を止めて、ダイズやソバの栽培を始めるのであれば補助金を出すよというものがある。


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畑作の間に稲作をかますということ


米、つまるところは稲作は想像通り、定期的に田に水は入れて栽培する。

水が漏れないように排水性を低くしている。


一方、ダイズの栽培と言えば、


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ダイズは水はけの良い土壌を好む為、米とダイズの栽培環境は真逆となる。


そんな中での転作。

稲作というのは文化であって、田の土壌の深いところに穴をたくさん空けて排水性を向上させると再び田に戻すことが難しいので、田から畑地に一気に転換というのはされないらしい。


こういう背景があるからか、ダイズに転換した田では一作は上手く穫れたとしても、二作目以降は不作になるという。


回避策として播種する粒数を大量にして、品質度外視で重量を稼ぐ栽培方法が取られることが多いらしい。




この話を見てふと思い出した。


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※引用元不明


ダイズの畝間にイネ科の緑肥を育てたら株あたりの収量が上がったという研究結果があったことを…


これを読んだ時、ダイズの根元に草が茂ることで、横からの強風によって倒伏するのを防止し環境からのストレスを緩和するというような話だったと思うけれども、この話が


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イネ科緑肥の効果、再考の再考


先日投稿したROLの話とダブる。

植物の根への酸素の運搬とROLバリア


もし、ムギの根から酸素が漏れていて、それが他の作物にとって有効ならば、


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マルチムギが劣化土壌に果敢に挑む


マルチムギのような背丈が低いムギを活用することで、水田の鋤床層(水漏れ防止の層)が壊されることなく、酸素の好むダイズの栽培環境を提供することが出来るはず。


ダイズはマメ科で、土壌中の窒素濃度が低い場合は、マメ科特有の窒素固定で空気中から養分を獲得する特技があり、

マメ科の緑肥と窒素固定


畝間でマルチムギを育てたところで、肥培管理が大きく異なるということはないだろう。


収穫用の機械(ハーベスタ)が充実していたら、ハーベスタが対応しないという問題が発生するかもしれない。


どちらにしろ日本の閉塞感からの脱却はムギの活用にありそうだ。


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