前回の記事で1500万年前付近の噴火による凝灰岩を見るために大阪と奈良の県境にある二上山に行ってきた。
凝灰岩がある場所は万葉の森という名称で親しまれている場所であるが、万葉の森の入り口付近にあるトイレの横に
片麻状花崗閃緑岩という石が置かれていた。
この石は万葉の森の近くの竹内峠のトンネル工事の際に発見されたものらしい。
前回の記事で、二上山の南部は領家変成帯となっていた。
領家変成帯は様々な本で頻繁に目にする用語であるので、この機会に何であるかを触れることにしよう。
片麻状花崗閃緑岩という名称を細かく見ると、順不同にはなるが、花崗と閃緑岩は
(株式会社誠文堂新光社 日本の石ころ標本箱 201ページの図を参考にして作成)
火成岩で粘性(二酸化ケイ素の含有量)による分類の名称となる。
片麻というのは変成岩の一種で肉眼では暗色の部分と白い縞模様が交互に繰り返す岩のことを指す。
これらを踏まえた上で、株式会社誠文堂新光社 / 年代で見る 日本の地質と地形の57ページより領家変成帯と領家花崗岩の内容を抜粋してみると、
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領家変成帯は中央構造線の北側の内帯に分布し、ジュラ紀付加体である丹波ー美濃ー足尾帯の堆積物が、およそ1億年前にシート状に貫入した領家花崗岩類(古期花崗岩)の熱の影響で広域に変成した高温・低圧型変成帯である。
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と記載されている。
中央構造線といえば先日のお伊勢参りの時に話題に挙げた。
内帯については中央構造線の記事に際に話題に挙げた。
付加体については下記の記事で触れた。
領家変成帯について記載されたものを何度も見てきたけれども、実際にその土地に行って、何らか分かるものを目で見ることで、そのものについてのイメージがつきやすくなった。
中央構造線を境に内帯(日本海側)付近は粘性が高い岩石が多く、外帯(太平洋側)付近は粘性が低い岩石が多い。
というイメージを持っておくことにしよう。
このイメージで思い当たる場所がいくつかある。
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