前回、BBQ後の炭は土に還らないから、土に埋めてはいけないのはNGというテーマで色々と考えた。
この話を始める前に、ここでいう炭は木炭を指すことにする
この問題を考える前に、
炭化とは何か?
炭の燃焼
消し炭や灰について
あたりを知っておく必要がある。
はじめに炭の製造(炭化)だけど、
山から伐採してきた木をブロック状にばらして、酸素を抜いた状態で加熱を行う。
無酸素状態での加熱によって木の炭素化合物は分解され炭となる。
ここでいう炭素化合物というのは、木の幹なので当然リグニン質のはずで、
炭素、酸素、水素が複雑に絡み合い、強固に結合されているものである。
これが無酸素状態の加熱で分解されたとしても、
炭素、酸素、水素の結合であることには変わりないはず。
ただ、
リグニンの分解ということで、分解中にある黒い液体(タール)も当然含まれるはず。
炭同様無酸素状態で生成されるものとして石炭がある。
石炭は無定形炭素として扱われるので、
木炭も無定形炭素として扱って良いはず。
※無定形炭素は結晶構造を持たず、反応性に富む炭素の事を指す
続いて炭の燃焼だけど、
熱力学というものに触れたことがないから自信はないけど、
炭の燃焼は無定形炭素に酸素が結合し、二酸化炭素が発生する際にエネルギーが放出される現象で、
無定形炭素を完全燃焼させるとほとんどが二酸化炭素という気体に変わる。
炭を燃やしきると白い粉になるけれども、
これは灰だろうから、
木の中にあったミネラル分のみが残る。
ここでいうミネラル分は酸化された金属だから、
化学式は酸化カルシウム(CaO)や酸化マグネシウム(MgO)等といったところか。
灰の中には木炭の時にあった炭酸カリウムも含まれる。
酸化カルシウムは生石灰であって、土のpHを高める効果がある。
炭酸カリウムも同様に土のpHを高める効果がある。
これらの話を元に
一般的に言われるような「BBQ後の炭は還らないから環境的にNG」という事そのものは間違っているのではないか。
を考えてみると、
BBQ後の炭は完全に消費したのであれば、それは灰分なだけであって、ミネラル肥料のような働きになる。
完全に消費しなかったとしても無定形炭素が残っているだけなので、
土に埋めたとしても、石炭のような成分が土にあるだけとなる。
この話を持ちかけた人の意見にあるように
木炭が石炭の簡易版であるとするならば、
そもそも土壌に「無定形炭素」が有っても、それは植物にとって、石(多孔質なので軽石に多少近い?)がある程度の扱い。
は正しいと言える。
体感としてだけど、
炭の利用は栽培にとって有用だし、
なかなか分解されないというのがありがたい特徴でもある。
そもそもなんだけど、
炭自体がもろくなっているので、
たとえ炭を土に入れてすぐに還らないとしても、
すぐ後に生えた草の根によってすぐに粉砕されて、
土の一部になるのではないかな?
前回同様最後に
燃焼後の完全に炭を冷ましてから土に放るという確証がないため、
燃焼中の炭を土に入れてしまって大惨事ということは十分に考えられるので、
土に還る云々を除いても捨てることは危ないだろう。
という文章を添えて今回の話を終わらせることにする。
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