福岡県糸島市で一緒に来て欲しいと言われた畑に行ってきた。
この土壌分析の結果は事前に渡されたものだ。
測定の方法が正しいとして、苦土(マグネシウム)の量が人為的に施肥していくものではない。
この手のパターンは京都北部の舞鶴の蛇紋岩の地域に似ているが、それにしてはカリウムが多い気がする。
事前に見ておいた地質図を挙げておくと、
辺り一面花崗岩(ピンク)の地域であって、南の方に少しだけ超苦鉄質の蛇紋岩の個所(紫)がある。
花崗岩由来でカリウムはそこそこあったとしても、苦土(マグネシウム)の出処はよくわからない。
目的の場所に到着して、駐車場(上の地図の中央あたり)で降りてみると足元に
白い石の中に緑色の色の石が結構な量で混ざっている砂利が敷き詰められていた。
砂利は比較的近辺のものを持ってくるだろうから、おそらくこの砂利も糸島周辺のものだろう。
実際に畑に行ってみる。
花崗岩の土地でしかも海岸沿い。
予想通り白い砂地が広がっていた。
ただ、不思議だったのがこれまた事前に調べておいた土壌図で、
森林土となっているではないか!
ここは海岸沿いであって森林ではないぞ。
畑から数メートルあるくと砂浜に到達する。
話を聞いてみると、ここの土はどこかから持ってきた土らしい。
拙い経験なので断言できないが、土を持ってくる時はそう遠くないところで森を切り崩した時の土であることが多いはずで、この畑に持ってきた土砂もおそらく周辺のものだろう。
再び地質図を見てみると、
すぐ近くで所々で苦鉄質深成岩の個所が見られる。
斑れい岩質といえば
(株式会社誠文堂新光社 日本の石ころ標本箱 201ページの図を参考にして作成)
粘性(石英)が少ない火成岩で、苦土や鉄を多く含む鉱物が多めで構成されている。
今回訪れた畑が森林土に区分されていて、周辺から持ってきた土で客土されているということであれば、斑れい岩あたりの森を切り崩した際の土砂である可能性は高い。
畑の土を接写してみると、
風化しにくい粘性の高い石の間に
緑色の粒が所々見られる。
今回の話が正しくて、粘性の高い花崗岩をベースに粘性の低い斑れい岩質の土砂の客土を行っていたとするならば、苦土(マグネシウム)が多い割にカリウムも多いという不思議な状態も納得できる。
土壌の緩衝性を高める為に苦土を使うことは出来ず、腐植による緩衝性のみに意識を向けた方が良くなるはず。
余談だけれども、すぐ近くのいくつかの畑の土壌分析の結果は普通の砂質土だった。
※全体的に養分少なめでECがほとんどない
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