土壌中で発生する酸素の発生源を探るまでの記事で、菌耕という技術で物理性が改善されるという報告はミミズに因るものではないか?という話題を投稿してきた。
土壌微生物の生態系の観点で流石に素人が培養した少量の菌の液体が土壌に大きな影響を与えるはずがない。
それでも菌耕が広まっているということは、何らかの目に見える現象があるわけで、それは無碍にできない。
なので今まで得てきた知見を元に菌耕というものを見てきた。
改めて又聞きではあるが、実践している方から聞いた話を整理してみる。
食料品店から購入してきたイースト等を米ぬかのような培地で培養して、ガスが発生するまで待つ。
ここのガスはおそらく二酸化炭素と捉えて良いだろう。
二酸化炭素が発生しているということはおそらく好気呼吸がされているはずで、米ぬかのデンプンの一部は水と二酸化炭素になり、大半は有機酸の状態で遊離している。
もしかしたら活性酸素の過酸化水素も発生しているかもしれない。
タンパクはペプチドに断片化し、脂肪は脂肪酸になっている。
米ぬかにはビタミンやミネラルが含まれており、イースト自身もビタミンを生成している。
おそらくこの液体には米ぬかの香り以外に、イーストの香りもあるはずで、この香りはデンプンがアルコールになっていたり、脂肪が断片化したものが主であるはず。
上記の液体を土壌に散布した時に最初にどのような現象が発生するか?
弱酸ではあるが有機酸があるため、浸透した箇所の固く絞まった土の塊を細かい粒子にする。
細かくなった土壌粒子の間をアルコールや脂肪酸の断片といった香りが充満し、土壌を徘徊する土壌小動物を誘引する。
ミミズ孔が形成され、ミミズが地表の有機物を土中に引きずり込み、土の団粒化が進む。
再び培養した液体を散布すると、前回よりも少し深い場所に液体が浸透すし、有機酸からミミズ孔までの作用を繰り返す。
上記の内容が実際に発生するのであれば、粉砕した落葉と米ぬかを混ぜて土表面においておけば、
あとは水か、クエン酸溶液でも散布しておけば菌耕で見られる現象と同等の効果になるはず。
粉砕した落葉から黒い液体(腐植酸)が出てくる流れさえできれば良いわけで、
落葉にキノコが生える事を目指せば菌耕以上の成果が出るはずだ。
キノコの菌糸が地中に張り巡らされると、菌糸から分泌される酸で上記の流れが加速するはず。
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