前回のミミズと植物の根は互いに影響を与えながら深いところを目指すの記事で、ミミズと植物の根の関係を記載した。
ただ、この内容では菌は耕盤層を破壊して、物理性の改善に関与するのか?の記事の内容はフォローしていない。
今回は別の視点を加えてみることにする。
先日、土壌で菌等の微生物が死んだ時、酸素を放出するという内容を聞いた。
上記の内容がストレートに記載されている文献はまだ見つける事はできていないが、この話を教えてくれた方は博士号を取得しているので、何らか根拠があって、このような話をしているのだろう。
菌が死ぬ時、直接的に酸素を放出せず、何らかの反応の末、酸素が発生しているとして考えてみると、硝酸塩呼吸こと脱窒が思い浮かんだ。
脱窒の反応は下記の通り
2NO3-→ 2NO2- + O2
NO2- + NH4+ → 2H2O + N2
硝酸(NO3-)とアンモニア(NH4+)から酸素(O2)、窒素ガス(N2)と水が発生している。
脱窒に関与する菌(もしくは細菌)は硝酸から得られた酸素を他の反応に利用する。
注)上記の反応はこんな単純に進まないかもしれないから間違いの可能性は高い。
それを踏まえた上で話を進める。
この反応では、丁寧に見ると、O2 : N2 = 1 : 2になるが、大気中のガスの構成と比較すると、遥かに高濃度の酸素量になるので問題ない。
※大気中の酸素は約20%で窒素は約80%になっている。
これらの内容を踏まえた上で、再び中村好男著 根の生育環境としてのミミズ - 根の研究(Root Research) 10(4):127-133(2001)を読んでみると、ミミズの孔と周辺を合わせて、脱窒菌は16%が孔の壁から見つかった。
合わせて無機態窒素が孔の壁からたくさん見つかった。
ミミズの孔にあった有機物から高濃度の酸素が発生する可能性がある事になる。
ミミズは地表にある有機物を地中に引きずり込むらしいので、孔内の拡散以上に酸素が発生する事になる。
話は菌耕に戻って、事前に培養した菌の液体を散布することによって、菌と低分子化した有機物が地中に浸透するわけで、それらから脱窒菌による酸素の発生でミミズを誘導出来るはず。
何度も菌の液体を土壌に散布していたら、徐々に浸透する深度が増すので、いずれは耕盤層に達するかもね。
この話が正しければ、菌を培養した手間がかかる液体でなくても良いはず。
クエン酸とアミノ酸各種を混ぜた溶液とか。
これだと、菌の培養に用いる米ぬかのような有機物に含まれる微量要素やビタミンがないからダメか…
開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきこと再び